第5話 ダンジョン

この世界のダンジョンは、まあ、一言でいえばアンデッド系モンスターの吹き溜まりのような場所である。非常に危険であり、そこで全滅するパーティも過去何度もあったという。

しかし、そのダンジョンの奥にあるといわれる秘宝を求め、今まで数々の人がそれに潜り込んでいるという。


それは、遺跡であった。石を積んでできた、古ぼけた地下への入り口があった。しかしそれは非常に精巧なつくりをしているのか、手で押しても壊れそうにない。

下へ続く石の階段があり、端の方は苔が生えていて非常に滑りやすそうだ。


「喪われた故国の王は、国の深部にたどり着いたものに、王家の財宝を与えよう。と言い残したという…。」


ブレイブが急に真剣そうな目で語りだした。なんだこいつ


「そんなことはどーでもいいですから、はやくいきましょーよ。」


「よくないだろ!?財宝って言ったら、売ったらもうウッハウハ…。」


ナス子がじとっとした目をして前をすたすた歩くので、金に目を光らせているブレイブを連れて遺跡の奥へと進むことにした。



こういうrpg的なダンジョンには大抵、魔物だとかそういう化け物がうじゃうじゃいるものだが、いったいなぜなのだろう。

古い遺跡に住み着くなんて、冒険者がそれを見逃すなんてありえない。冒険者はともかく聖職者なんて、神聖な場所にモンスターだなんて言語道断ではないのだろうか。


「なあ、なんでダンジョンにこんなに魔物が住み着いてるんだ?しかもアンデッドばかり。」


「ダンジョンには、地表と比べられないほどの大量の魔素が空気中にあふれ出ています。魔物は魔素がなければ生きていけません、だからこの魔素のたまり場に集まるんじゃないでしょうか。…これはただの推測ですが」


「ああ、胎内回帰のasmrに人が集まるのと同じ理由か…。」


「…なんですかそれは」


俺がナス子にそんなことを聞いている間、ササキは静かにダンジョンの奥のほうを見つめていた。奥は下の階層に続いていて、暗くよく見えずらい。

いったい何を考えているんだ?


「どうした?ササキ」


「いや、なんでもないんだ…。」


彼はそう言って、目を伏した。…なんだこいつ、もしやこのダンジョンに縁があるのか?実はこの亡国の王だか王子で、懐かしさを感じているとか…。


「なんだその意味深な…。」


「ただ…、」


「ただ?」


「下に行ったら…、もっとスリルある闘いができるだろうな…と。」


ササキはそう言い、口からよだれを垂らし、恍惚とした顔を浮かべた。

…こいつ、戦闘狂か?




「いいいいいやあああああああ!!!」


トイレに行きたくなり、一人隅で用を足していたところ、腐敗臭のただよう二足歩行の魔物たちに追いやられ、万事休す。

なんで用を足してる最中に襲ってくるんだよ!ふざけやがって

そもそも、二足歩行の生き物(?)に立ち向かえなんてのが無理な話だったんだ

というか臭えなこいつら、体洗えよ

じゃなくて、俺死んじゃう!?ダンジョンで!?しかも痛い!!なんでこんな目に!!いや、そうじゃなくなんだ俺はそもそも


「闇よ集え!ダークネスクラスター!!」


ナス子がそう叫ぶのと同時に、周囲が突然黒く濁ったように見えた。



目が覚めると、頭に土の床ではない、柔らかな感覚が。

それはまるで、年端も行かない少女の太もものような…。そして、ただよってくる腐敗臭………

うん?


「アンデッドモンスターやないかい!!!!!」


急いで後ろを振り返ると倒され寝そべっているアンデッドモンスターが1体2体3体…。どうやら死んだモンスターを枕にすやすや寝ていたらしい。

いや、もう死んでるか…。


「でもやっぱいやあああああ!!!」


「…うるさいですよソーイチ、あんまり叫んでるとまた集まってきますよ。」


ナス子が近くで立っており、こちらをじとりと見つめていた。

確かにこんなにうるさくしていると魔素関係なくこっちによりついてきそうだ…。


「ナス子、ありがとな。というか闇魔法?ってアンデッドモンスターにも効くんだな。」

「いえまったく…さっきのは圧力で押しつぶして気絶させただけです。」

「全然効かないんかい!じゃあなんで闇魔法なんて使ったんだよ」

「私闇魔法しか使えないんです…」

「はあ!?じゃあ使わなけりゃよかったろ!」


俺たちが口論を始めた瞬間、そのうるささで寝ていたはずのアンデッドモンスターがむくむくと起き上がってきた



…まあ、その後は、言うまでもない。

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異世界転移物語 pcラマ @pcrama

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