看護師の私と笑顔の素敵な彼
鋏池 穏美
看護師の私と笑顔の素敵な彼
「私と付き合ってください!」
私がいつも息抜きで利用する、勤め先の病院の非常階段。そこへ大好きな彼を呼び出しての愛の告白。
この病院に勤め始めて半年。周囲からは男遊びが酷い悪魔のような女だと噂されていた。だけど彼はそんな噂など気にもせず、「俺でよければ喜んで」と、満面の笑みで答えた。その素敵な笑顔を見て、私はさらに彼を大好きになる。
そんな大好きな彼が今、私の目の前で頭から血を流して倒れている。どくどくと
だがこう見えても私は看護師だ。どうすれば彼の命が助かるのかは心得ている。頭の裂傷は深く、出血量も多い。だがすぐさま死ぬことはない程度だと判断出来る。「落ち着け、落ち着け私!」と、深呼吸してから彼の脈を取る。
弱くはあるが、やはりこれであれば適切な処置さえすれば、彼の命は助かる。「私が必ず助けるからね!」「大丈夫だから!」「もう少しだからね!」と、大きな声で彼に何度も呼びかける。
そして彼の頭を叩き割ったバールを手に持ち、再度彼の頭に向かって振り下ろした。「……ふぅ、これで彼は助かった」と、私は胸を撫で下ろす。
私と彼は危機に直面していたのだ。
だが危機一髪で、彼を
看護師の私と笑顔の素敵な彼 鋏池 穏美 @tukaike
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