人間と鬼神、寿命差で人間の方が先に逝ってしまいますが、人間の女性は「あの人には、死にかけの私じゃなくて、最初に会った時の私に、ずっと恋に落ちて欲しいの」と願います。そしてその願いは予想外の形で叶うのです!狡く強かで魅力的な人間の女性のお話を是非読んでみてはいかがでしょうか!
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素晴らしく大好きな話!!!ああ、この感動をどう伝えようっ。女性のズルさとか、人の命の儚さとか、愛の深さとか、色んなものがぎゅっとしてる!ネタバレにならないように説明するのは難しいのだけど、私はね、読んでちょっとウルッとしてしまったのです。変わらないものなんかないけど、それでも永遠を手に入れたい。その想いが、なんだかダイレクトにゴーンと……やりやがったな、作者め……お勧めしたい!とてもいい!!
主の記憶から自分を消してほしいと願った彼女が失踪した。主が愛する者の申し出とはいえ、叶えることはできない。しかし、百年でも探しそうな主のため、やむ終えず全ての記憶を消し、ひとつだけを残して彼女の関わるもの全てを捨てた。人の命では生きられない時が過ぎ――異種婚姻とか、妖怪とか、鬼神とか、わたしのツボをえぐってくるのやめんか、ともんもんとしつつ読んでいました。現実は悲しくさみしいものだけど、なぜかみんな笑っているような読後感。素敵なお話です。
お題「スタート」で「この話を出す」切り口と発想の良さよ。半端ないな。ヤバイな。冒頭は「終焉に向かう話」のように感じられ、「お題はスタートだよ?」と思うかもしれない。私はお題を見ないで読み始めた。だからお題を見てやられた感がすごかった。素晴らしかった。思わずレビューを書いてしまったぐらいです。