第10話

 釧路の話を聞いて、あまりにも自分が思っていたイメージと違い過ぎて驚いた。


 そして、釧路のイメージから、ウソ告だの罰ゲームだのと思って申し訳なかったと思う。


 それと同時に……こんなにも真剣に俺の事を想ってくれていたのかと、やっぱり胸が熱くなる。


 俺が釧路の事を意識しはじめたのは、正直釧路に告白されてからだけど。


 それから知った釧路だけでも十分俺の心を掴むものを持っていて、そして何より、俺自身も同年代の誰にも共感されたことのなかった自分の好きなものを好きな同年代の女の子がいることは、運命かもと思えるくらいには胸に来るものがあった。


 フードコートからの帰り道。


「ねぇ、明念。……また、デートしてくれる?」


 俺と手を繋ぐ釧路は、また伺うような上目遣いで聞いて来た。


「どした。今度はやけに素直じゃん」


「……うっさい。だって、やり直しさせられるの恥ずかしいんだもん!!」


「へー。恥ずかしいのに朝はちゃんとやり直したんだ。もしかして、体操服で俺の昼飯買いに行った時も、恥ずかしかった?」


 つい、可愛い彼女にそんな意地悪を言ってみる俺。すると釧路は。


「うっさいバカ!! 恥ずかしかったに決まってるでしょーが!!」


 思った通り、真っ赤な顔して返事した。けれど、俺の手は握ったままで。


「ごめんごめん、そうかなって思って、嬉しかったんだよ。俺の方こそ、釧路とまたデートしたい。放課後だけじゃなくて……休日でも、デートしてくれるか?」


 俺も素直にそう聞いた。


 すると釧路はまたぷるぷると嬉しそうに震えながら。


「うん、仕方ないから休日も、デートしてっ」


 嬉しそうににやにやとしながら答えたから。


「こいつー!」


 そう言いながら釧路の肩を抱き寄せた。


「へへっ」


 いたずらっぽく笑う釧路はやっぱり可愛くて。


 新年早々、隣の席のギャルが地味な俺に「うちと付き合いなさいよ」と言って来たから罰ゲームかなと思ったら、……ただのツンデレなガチ惚れマジ告だった件。


 今年は俺にとっても、初めて出来た可愛い彼女に、ガチ恋マジ惚れする年になりそうだ――。




(完)


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空豆 空(そらまめ くう)


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新年早々、隣の席のギャルが地味な俺に「うちと付き合いなさいよ」と言って来たから罰ゲームかなと思ったら、ただのツンデレなガチ惚れマジ告だった件 空豆 空(そらまめくう) @soramamekuu0711

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