卓越した俯瞰的思考力から考察した、ラノベ未来への提言書

近い将来、ラノベはどの方角へ向かい、どの読者層に主に読まれていくのだろうか。そんな漠然とした切り口から本編は始まります。紙媒体を憂う出版業界、電子化の大波に晒されながらも、活路を見出すべく読者層の取り込みに歪みが避けられないバイアス。私たちの身の置くカクヨム界においても例外ではないと警鐘を鳴らす、その先見の明は、慧眼ともいえる鋭い観察眼そのもの。このお話の醍醐味は、私たちを取り巻く業界地図のみならず、そこから派生したカクヨムのあるべき姿にまで言及した英知の結晶たる提言書としての機能を持ち合わせていることです。創作側だけでなく、読む側としても大変興味深い内容として凝縮された乾坤一擲をも予感させる本作。
私は信じています。
この未来の提言書をもって、ひとりひとりの思いの力を結集させれば、きっと私たちの力でラノベの行く末を、カクヨムの未来を変えることができることを。

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