コミュ力Lv.12が初めて海外セレブに会ってきた話〜東京コミコン2023レポート〜

朝矢たかみ

はじめに

 東京コミコン2023に行ってきた。千葉県にある幕張メッセで12月8日(金)〜10日(日)まで開催されていて、私は土日に参加。目的は色々あったけど、一番はなんといっても、海外セレブとの写真撮影とサイン。

 多くの人がそうであるように、私もまた有名人とお近づきになる機会などない人生を送ってきた。握手会やファンミーティング的なやつに参加したこともない。だから有名人を至近距離で拝むのは人生初だったわけである。

 そんな初体験がユアン・マクレガーって。

 しかし二日続けて会っちゃった。

 そこへマッツ・ミケルセンという、でかすぎるおかわりまでついてきた(注文したのは自分なんだけど)。

 もう完全にキャパオーバー。

 これを書いている今も現実感がない。己の処理能力を超えた幸せの洪水に、ただただ打ちのめされている。同時に反省点も山ほどあって、この数日は「最高だった(語彙力)」と「あのとき、ああしていれば」をずっと反芻はんすうしている状態だ。

 でてから30分放置したスパゲッティみたいにグチャグチャのひとかたまりになったこの感情に整理をつけて、次の機会のための手引書兼いましめにしようと思ってこれを書き始めた。

 ついでに、最近は小説でもつぶやき(ポスト? は? なにカッコつけちゃってんの)でもない文章は書いていなかったので、どうせなら見せられる形で残そうと思った。だからほんのちょっとだけ、カッコつけて書いていこうと思う。



 最初に簡単な自己紹介。

 中学生のころに海外ドラマにハマってから、ずっと映画や海外ドラマが好きだ。

 基本的にどこかへ行くときはひとり。映画も演劇もラーメンも焼き肉も水族館も登山もひとり。だれかと一緒に行くのも好きだけど、自分から誘うのがとにかく苦手で、結局いつもひとりでふらりと行ってくる。

 ようするに、人見知りなのだ。

 交流会とかオフ会とか聞いただけで震え上がってしまう。知らない人怖い。

 そのせいで、コアなファンが集まるイベントは苦手意識がある。

 学生のころからずっと吉井和哉さんとTHE YELLOW MONKEYが好きだけど、ライブに行けるようになるまで五年くらいかかった。当時はライブそのものに行った経験がなかったこともあり、ライブ会場にいるのは全員ガチファンだと思いこんでいた。イントロを2秒聞いたらどの曲か判別できて当たり前。曲中に手の振りを間違えたり、うっかり「イエモン」なんて口にしようものなら古参のファンにボコボコにされるんじゃないかと、わりとマジでおびえていた。だから最初の何年かは「行ってみたい、かも」と芽生えた気持ちを「お前ごときが足を踏み入れていい場所ではない!」と叩き潰していた。意味不明である。

 もうタイトルの意味がわかっていただけただろう。

 レベル12。故郷を出て、次の村までは行けるけど、その次の村はちょっと厳しい。魔法なんかまだ使えない。そんなレベル。スキル「外面」を使えば多少のバフは得られるが、使うほどHPが削られるし、なんなら集中力低下というデバフがついてくることさえある。

 そんなコミュニケーションのポンコツが、憧れの相手に会ったらどうなるのか。そのありさまをご覧に入れよう。

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