語彙力と可読性
語彙力と可読性(リーダビリティ)
さて、語彙力とは何か、から始まるわけですが、その前に「語彙力」とは何なのか調べてみましょう。
「語彙力とは」でググってみたら、漢検のPDFが出てきました。
https://www.kanken.or.jp/dan-sprt/kanken/tool/data/sup_k_h_c_01_4.pdf
解説はこの資料のトップにあります。
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「語彙力とは、物や事象を説明したり、ある言葉を他の表現に言い換えたりすることで、相手や場面にあわせて、よりわかりやすく、説明、表現することができる力のことです」
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しばしば勘違いされるのが「語彙力」=「知っている言葉(単語や表現)のバリエーション」というアレ。もちろん、知っている言葉が多いほど語彙力が高まる可能性はあります。が、知っているだけでは「語彙力がある」とは言えないわけです。
上記引用で重要なのは「相手や場面にあわせて」「よりわかりやすく」「説明、表現することができる力」の部分。漢検、良いこと書きますね。
ものすごくかいつまんで説明すると「わかりにくい文章の人」は「語彙力があるとは言えない」わけです。
ザーッと読んでって「やたらと目が滑る」「意味が分からなくて止まっちゃう」「何度も前に戻って読まないと理解できない」等の場合は、その作者に「語彙力がない可能性がある」と言えます。
逆に言えば、難解な表現の有無を問わず、読んでて流れるように理解できるとか、全く詰まることがない、とかいう文章を書ける人は「語彙力がある可能性がある」と言えます。
もう一つ大事なのは「相手や場面にあわせて」の部分。小説の書き手風にいえば『読者層によって』となりますかね。相手によって適切に使用語・表現を変更できる人は「語彙力がある可能性がある」と言えます。
おしゃれな表現や難しい表現を使いたくなる気持ちは理解できます。
が。その結果として読者を置いてきぼりにしてしまうとしたら、それは「語彙力がない人の所業」になってしまいます。おしゃれな表現や難しい表現を使っていながらも、読者さんが難なく理解できるような言い回しやコンテクスト形成ができていて初めて、「語彙力がある可能性」が出てくるわけです。
よくあるのが横文字の乱用。次に悪目立ちするのがわかりにくい熟語表現。その次くらいに来るのが文学表現の引用。(*主観です)
上記が悪いわけじゃないです。ちゃんと「語彙力高く」使えるのであればバシバシ使っても良いです。でも、とてもむずかしいです。ので、表現力(広義の語彙力)が充実していないうちは、難しい言葉やカタカナ語はやめようねと言われるのです。使っちゃダメなわけじゃなくて、使うことで可読性が下がる可能性があってリスキーだよということです。
難しい言葉を使いたくなっても、他の表現で代用できないか。あるいは使った時にもそのフォローをどこかで入れられないか考える。
横文字を使いたくなった場合、それは本当に必然的に必要なものなのかを考える。どうしても使いたい時は例えば
また、語彙力と言うとなぜか「単語」にフォーカスが当たりがちなんですが、違うんですよ。語彙力というのは↑にもあるとおり「表現」の力なんですよね。なので、単語の話じゃあなくて、文章、もっといえば
なので、単語がどうの、フレーズがどうのっていうのだけでなくて、「文章の塊」として捉えた時に十分に
というのは、人間が文章を読む時は確かに字面を追っていると言えますが、同時に「文脈」として記憶していると言えると思います。よっぽど印象的なフレーズでもない限り、一字一句そのまま記憶なんてしてないですよね。「こういう感じの表現」「こんな意味の表現」って感じで覚えてますよね。これぞまさに文脈の入出力結果です。
語彙力の醸成のためには、まず言葉を覚えることが必要ですが、それだけで止まっている限り「単語のひけらかし」から卒業できません。次にはその単語をどう「言い換えるか」を考えるクセをつけることが必要でしょう。基本的には「どれだけ読みやすいか」だけを考えて文章を繋げていくのが大事でしょうね。
自分で書いた文章を一週間後に読んで、目が滑るとかつっかえるってのは語彙力不足の露呈と言っても良いでしょう。そういう箇所があったら「他に表現方法はないものか」って考えるとよりよい文章になると思います。
語彙力でぶん殴る人の文章というのは「難しい文章で畳み掛けてくる文章」ではなく、「
今回は以上ですよ。
私の語彙力ですか?
それは私の作品を見てやってくださいね(゚∀゚)
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自分の作品が面白くないんじゃないか症候群 一式鍵 @ken1shiki
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