第6話白石 彩花 4

初めての授業があった日から数日が経過した。

授業はどの教科も教科書の内容にはいっている。そしていつも通り頬杖をつきながら外の景色を眺めていると午前中の授業がおわった。


昼休憩のでいつも通り人気のない庭のベンチにいった。あれから白石さんは、昼休み中に来ることはなかった。


休憩中は少し話がてくるが。まぁ何はともあれ昼休憩を邪魔され何のはいい事だ。この時間は一人でゆっくりできる。自分の好きなことを考えながら。


そしてゆっくりとしながら昼食を取っていると、なにやら男女の話し声が聞こえる。俺が座っているベンチの近くには渡り廊下がありその向かい側から少し離れた所から声が聞こえる。


この渡り廊下はめったない人が通らない。なぜなら、本校舎からもう使ってない倉庫のような教室につながっているからだ。


だから告白スポットにはよく使われるらしい。聞き覚えのある男女の声がしたので少し覗いて見と、そこには小河と白石さんがいた。


そういえば先日小河が白石に告るとか言ってたっけ?まぁ結果はどうであれ自分は興味無いので、フル無視して弁当を食べていた。しかし小河の声があまりにもでかいので聞いてなくても耳に入ってしまう。


「俺と付き合ってくれ!!一目見た時から好きにだった!」


「え、ごめんなさい?なんで俺じゃダメなんだ!」


「恋愛に興味ない?なら友達からでもいいから!連絡先交換しないか?」


「連絡先は無理?わかった。今日から友達だな!よろしく彩花!」


と白石さんの声は聞こえなかったけど小河がいちいち白石さんの言ったことをリピートするから内容が分かってしまった。相変わらず小河は顔はいいが、性格が俺様系で少しイタイな。


それから二人教室へ戻って行った。俺も教室戻るか。そして教室に戻ると早速小河が白石さんと話している。俺の机に座って。殺そうかなと思ったが、その気持ちは抑えた。


なぜこんなにも怒っているかって?それは小河が俺が無気力系男子ムーブには欠かせない俺の机座っているからだ。これでは俺が無気力系男子ムーブが出来ない。机を使って外を眺めたり、机に突っ伏して寝たりすることが出来ない。


つまり小河という男は俺喧嘩を売っているのだ。まぁここできれても無気力系男子ではなくなってしまう。ここは無気力系男子のように、


「そこどいてくれないか?俺の席なんだけど。」


「ああ、わりぃ。白石さんと話してて気づかなかったわ」


と机から降りる小河。こいつ言い方がウザイな。どんだけ白石さんとの関係を自慢したいんだ?

ただ友達になっただけだろ。振られておいて良くその状態でいられるもんだ。


そして何事も無かったように話を続ける小河。まぁ俺の無気力系男子ムーブさえ邪魔しなければなにしてもいいんだが。


少し時間が経ち授業開始の予鈴がなった。そしていつも通りに外の景色を眺める俺。そろそろ飽きたな、これも。もっとバリエーションを増やさなければ!


午後の授業が終わり帰りの支度をしていると、


「ねぇねぇ、神田くん。このあと時間ある?

放課後話したいことがあるんだ。」


「・・・・・・今日は用事があるんだ。明日の昼休憩にしてくれないか?」


「わかった!じゃあまた明日ね。神田くん!」


「ああ」


突然驚いた。放課後に残るなど無気力系男子にはあってはならない。無気力系男子ならばこういったことは学校で終わらせるのだ。普通の男子生徒なら告白だと想い上がるのだろう。


しかし俺は違う。俺はあの会話でしっかり白石さんの目や口の動きあらゆる仕草から、白石さんの大体の感情を読み取った。あれはなにかに悩んでいる人の表情だった。


こんな芸当ができるのは、俺が無気力系男子になるべく身に付けたもの。中学校の頃からいろんな人表情やら仕草やらを見抜いて分析してそれを幾度なく続けたからこんなことできるのた。


なんで白石さんは俺を頼ったのかは知らないが、無気力系男子ムーブが刺さっているといいなと思った。






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無気力系男子を演じたい! @qtt

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