無気力系男子を演じたい!

@qtt

第1話 無気力系男子を演じたい!

みんなは知っているだろうか?漫画やアニメでラブコメの主人公として登場する常日頃何を考えているのか分からず、恋愛にも無頓着、なのにも関わらずヒロインにはモテる。尚且つ鈍感。そんな主人公達をを総じて無気力系男子と呼ぶことを。


そして俺、神田 瑛二(かんだ えいじ)はそんな無気力系男子に憧れている。きっかけなんてものはないしいつから憧れていたかも忘れた。ラブコメの漫画やアニメを見漁る内に、気づいたら憧れていた。


そんな俺は地元とは少し離れた高校に入学することになっている。

何故か?そんなの決まってる。無気力系男子になりたいからだ。正確には演じたい。


俺は別に元が無気力系男子では無いし顔も普通で、運動も勉強も平均ぐらい。そんな俺も中学校の時少しだけ無気力系男子を演じたことがある。すると友達から


「お前急にキモイな。」


「急にウザイなお前。」


など散々言われた。そして俺は思った。高校からならキャラ変えてもばれなくね?とだから地元の高校から離れた学校に入学することしたのだ。


そして今日は入学式。俺はこれまでの特訓で習得してきた秘技きだるげな表情!をし学校に向かうのである。入学式ということで朝は両親が送ってくれた。


学校の玄関に張り出されているクラス表を見てササッと自分の教室に向かう。そして自分の席に着く。周りは友達と雑談したり初めまして的な感じで挨拶をしてたりする。


そんな中俺がする行動と言えば、そう机に突っ伏して寝る。この行動は無気力系男子なら欠かせないもの。


無気力系男子は、みんながクラスで馴染もうとしたり初めましての挨拶をしている中、誰とも馴染もうとせず、しゃべりかけるなオーラを放つ。それが無気力系男子なのだ。そしてこのクラスの担任と思われる先生が入ってくる。


「みんな席にすわってくれ。」


先生の合図でゾロゾロと生徒が座り先生の話が始まる。


「入学おめでとう。紅蘭学校へようこそ。 この一年間ここのクラスの担任を務める、 倉石 真由美 (くらいし まゆみ)だ。よろしくな!さっそくだが入学式まで時間が無いから入学式の説明を始めるな、まずはーー」


周囲がざわついてるのにも関わらず説明を始める先生。何故ざわついてるのかと言うと先生の容姿だ。真由美先生は銀髪で腰までのロングで顔も整っている。そして出る所はしっかり出ており、スタイルもいい。そんな先生を見て


「あの先生、可愛くね?。」


「スタイル良すぎだろ!!」


など他の生徒が騒いでいる。そして俺は何をしているかと言うと頬杖をして空を眺める。



そう、無気力系男子なら、先生が可愛いぐらいで騒がない。なんなら騒いでいる生徒を見て、こいつら騒ぎすぎだろと思ったり、関係ない、どうでもいいみたいな感じで興味無いオーラをプンプンにだすのだ。だから俺はそれに倣ってこんな事をしているのだ。いかにも無気力系男子って感じだ。


そして入学式の説明が終わり入学式が始まり、来賓の方々の話やら、校長の話やらなんやかんやで入学式が終わった。入学式なので午前で終わり。

生徒は各自帰りの支度をしたりしている。 そんな中 、ある生徒が


「みんなこの後、親睦会みたいな感じで行ける人だけでいいから一緒カラオケいかね?。」


いかにも陽キャそうな生徒がみんなにカラオケを誘っていた。名前は確か 小河 悠 (おがわ ゆう)

恐らくここでクラスカーストが決まるのだろう。

しかし俺は待っていたこの時を!乗るしかないこのビックウェーブに!


みんなは自分のクラスカーストに必死なのか沢山の生徒が小河の所へ集まる。そして俺がする行動といえば、家に直行!そうこれは、無気力系男子なら当たり前の行動なのだ。


無気力系男子と言えば、クラスの親睦会みたいなやつには絶対に行かない。行かずに家に直行するのだ。それが無気力系男子。俺もそれに倣って家に直行することにした。


俺の家は学校からだいぶ離れている。そのため電車通学でそこからまた歩かなければならない。学校から家まで1時間くらいかかるだろう。なのでその帰り時間、俺はこれから、どんな感じで無気力系男子ムーブをしようかを考えていた。考えていたら、時間というもはすぐ過ぎるものだ。


もう家の最寄りの駅に着いた。そして家に帰った。家ではさすがに無気力系男子は演じてない。まだ朱音は帰ってないのか。良かった、見つかる前に部屋に籠ろう。見つかったらめんどくさいことになる。


そして部屋に入りベットに仰向けになる。今日は結構いい感じで無気力系男子になれた気がする。


俺は無気力系男子を演じれることができるのなら、他のことはどうでもいい。彼女も友達も要らない、ただただ無気力系男子を演じたいだけなのだ。明日もいい感じで無気力系男子を演じるとしよう。

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