優華出生の秘密譚 最終章 決着の章

優華出生の秘密譚 最終章 決着の章


 街が混乱している中。リーゲンとユウキは未練宗たちと相手をしていた。

 ユウキは右手を剣に変えて、相手を真っ二つにしたり、心臓を突き刺して、相手を倒す。

 リーゲンは【能力再構築 黒紅悪龍・武器創生】で作った黒赤い機械大鎌を振り下ろす。

 所詮下っ端の者。ユウキたちの敵ではない。リーゲンはユウキに聞いた。


「そんで、どうするんだ?」

「もちろん。未練宗の本拠地に殴り込みだ。おはその場所は知っている」


 その言葉を聞いて、リーゲンは相手を斬りながら、ユウキの方へ向く。


「ど、どこなんだ? そこは?」

「この先だ。ついてこい」


 ユウキは素早く走る。

 「おい! 待て!」と焦りながら、リーゲンは相手を斬りながら、ユウキを追う。

 一方のユウキは剣を変えた右手で相手を切り捨てる。

 たとえ生き残ったとしても、彼の血で作った毒に蝕まれ、その場で朽ちる。

 走る二人。その先にあったのは森だ。

 ユウキとリーゲンは走る。

 さらにそれでも未練宗たちが現れる。それに堕人も現れ、堕人たちはマシンガンを撃とうとするけど。


「あまえんだよ!!」


 リーゲンが左手に作った【能力再構築 黒紅悪龍・武器創生】を発動して、片手銃を作り、相手目掛けて発砲。

 相手はその場で怯むけど、蘇る。

 しかし、そこにユウキの斬撃で相手を燃やし始める。

 森が燃え始めて、二人はそのまま向かう。

 でかい教会。二人は大扉の前に一気にヤクザキックをした。

 そこには堕人と化した女性と堕人と化した信者たちが待ち構えていた。

 そこには仮面の教祖が現れていた。


「『なんとも無粋な人間だ。だが、御主らにもチャンスを与えよう。我らの仲間となれ、その見返りにお主たちの思い人を蘇らせよう』」


 とても神らしいセリフとポーズで二人を誘惑する。

 しかし、二人の答えは無言だ。さらにユウキは斬撃。

 リーゲンは銃撃と【能力再構築 爆破】で相手に撃った銃弾を大きく爆発させる。

 さらにユウキは毒を燃やして、相手達に範囲攻撃だ。

 そして、リーゲンは銃弾で教祖の仮面を撃ち壊した。

 その顔は何とも醜い姿であり、干からびたミイラの姿をしていた。


「『おのれー! よくも我の仮面を! 信者たちも役に立たん! それなら、最後の手段!』」


 教祖は怒り狂い。呪文を唱え始める。

 それは人間とは思えない言葉。教祖の周りに堕人や魂たちが集まり始めた。

 それは狂骨とガシャ髑髏が合体した凶悪な魔物〈骸執蘇魔(がいしつそま)〉が現れる。

 ユウキとリーゲンは構えるとあ、相手は大きく咆哮をする。

 それは命が蝕むような気がする。


「―――。すぐに決めないと……」


 リーゲンは咳き込み始め、更に生き苦しくなる。

 骸執蘇魔は口から青い炎を吐こうとする。

 すると、ユウキは剣を投げて、ブレスの機動をずらした。

 すぐにリーゲンを助けるユウキ。だが、相手の右手から蒼炎をまとい。相手を殴ろうとする。

 ユウキは舌打ちをしながら、リーゲンを庇うけど、巻き込まれて、壁に激突する。

 幸いユウキは咆哮による謎の力に対しては耐性が付いているが、リーゲンはひどく衰弱していた。

 おそらく【能力再構築】は出来ないと思われる。

 ユウキは覚悟を決めたのか。リーゲンを安全の場所へ避難する。


「な、なにするつもりだ……。ユウキ……」


 血を吐きながら、弱弱しく声を出すリーゲン。ユウキは後ろを振り向いて。


「リーゲン。短い間だけど、ありがとうな」

「――――」


 リーゲンは困惑していた。すると、ユウキは自分の体を切り付け始める。

 血が流れ始めると、体を燃やし始める。

 リーゲンはそれを見て、理解する。すぐに止めようとするけど、体が言うことを聞かない。


「じゃあな。リーゲン。お前のカレーおいしかったぞ。【血毒・大獄炎】!!!!」


 燃え上がるユウキ。骸執蘇魔に突撃する。

 相手が殴ると同時にユウキの体は大爆発を引き起こした。

 リーゲンはそれを見て、大きく狼狽する。

 しかし、そのおかげなのか。骸執蘇魔を倒すことができた。

 生命を蝕む空間は消え去り、リーゲンは立ち上がることができた。

 しかし、リーゲンはひどく取り乱している。

 その前には黒ずんだユウキがいた。


「嘘だろ……。また俺。守ることができなかったのか……」


 リーゲンの目に大粒の涙が流れ始めた。これで二度目だ。

 強くなろうと決心したが、これでは優華とリーゲンを亡くした時と同じあった。

 リーゲンの慟哭と共に落ちる大雨。大雨のおかげで火事は全て、鎮火する。

 すると、泣き声が聞こえた。それは赤ん坊の声だ。

 リーゲンはそれを見ると目を見開いた。

 ユウキの腹から突き出した小さいな手。そう、赤ん坊だ。

 オッドアイの狐耳と狐尻尾をもち、両腕は黒赤かった赤ん坊。女の子だ。

 泣いていたリーゲンに対して、赤ん坊はハイハイで近づいた。

 無邪気に笑う赤ん坊。しかし、リーゲンは辛かった。


 ―――俺には赤ん坊を育てるなんて無理だ。せめて、この赤ん坊に名前を付けないと。


 すぐにリーゲンはアイテムポーチから毛布を取り出し、紙とペンを出した。

 その紙に{織田優華}と書いて、その赤ん坊を毛布で巻いて、毛布の中に紙を入れて、走った。

 ユウキの残骸はその場で消え始める。

 しかし、ここにある残留思念が集まり、人となり始めた。

 頭は顔だらけとなった異形な存在。


『我々の悲願を……。悲願を果たさなければ……』


 異形の人間はその場から消え去った。


 一方のリーゲンは急いで向かったのは孤児院だ。


「ごめんな。俺だとお前を幸せにできないんだ。だからここの者に愛されてくれ……」


 涙をたくさん落とすリーゲン。孤児院の赤ちゃんポストを開けた。

 その中にはゆりかごがあり、そこに優華を入れた。メモを置いて、その扉を閉じた。

 雨に打たれるリーゲン。そこに次元の穴が現れ、リーゲンは素直に入って行った。

 優華の泣き声で目を覚ましたシスター。

 優しく抱き上げるシスター。すると紙が落ちた。

 抱いた状態で左手で紙を拾う。


「〈織田優華〉ですか。なんともかっこいい名前でしょうか。きっとすごいかっこいい人物になりそうです」


 シスターは微笑み。赤ん坊であった優華を寝かしつけた。


 それから十年後。少女は悪い男たちに囲まれていた。

 助けを呼びたくても、誰も助けてくれない。暴漢たちは少女に毒牙を掛ける。

 しかし、そこに赤髪のボサボサロングヘアー少女がドロップキックする。

 悪い男はむかついた顔でその少女に掴みかかる。

 しかし、その少女はでかい男たちを簡単に殴り飛ばした。


「な。なんだよ。おまえ……」


 少女は前を向いていた。その両腕は黒赤かった。


「オレは優華。〈織田優華〉。ダチは守る者だ」


 これが織田優華。出生の秘密である。


 魔物図鑑


 骸執蘇魔 神種 属性 闇と炎


 未練宗の教祖が特殊な呪文で作り上げた神に近いモンスター。

 咆哮をすれば、相手を衰弱させる力を持ち、その力は咆哮した者の糧となる。

 ユウキの自爆で相手は滅んだが、恐ろしい残留思念が残ってしまった。


 キャラ紹介


 織田優華


 ユウキの転生者。子供の時から力が強かったようだ。少女時代は追々話すとする。

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優華出生の秘密譚 ユーディ @yuyuyddx2

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