―最終話 王子の本音と真のヒロイン―


私シルバラに嫌われてたわけじゃなかったってこと?えー、めっちゃ誤解してたじゃん。どうしよう会う顔がないよ。嫌われてなかった安心と誤解してた申し訳無さでぺたんと尻もちをついてしまった。前を見るとそこには目を見開いたシルバラの姿が。ヤバいと思って逃げようとしたけど手遅れだった。シルバラに手を掴まれて動けなかった。

「ユイ、さっきの俺と兄さんの話聞いてたのか」

「ごめん、何話してるのか気になっちゃって」

「じゃあ話が早いな。さっきの話の通り、俺はお前を嫌ってたわけじゃない」

「じゃあなんで…」

「冷たい態度をとってたかって?それは、お前のことがす、す、」

「?」

「あーもう言わなくてもわかるだろ。お前のことが好きだからだよ。そのくらい気づけよ」

「そうなの?全然気づかなかったけど」

「お前が鈍臭すぎるんだよ。俺は好きな娘の前だと素直になんねーの。幼馴染なのにそんなこともわかんねーのか」

「ホントに嫌われてると思ってた…良かった、嫌われてなくて」

「俺はお前のこと嫌ったりしねーよ

「ホントに?」

「ホントだよ」

そう言ってシルバラは私を抱きしめた。

「すき」

「ん?ユイ今なんて?聞こえなかったからもう一回言って」

「嫌。だって絶対聞こえてるもん」

「マジで聞こえなかったからお願い」

「はぁ、私もシルバラが好きだよって言ったの」

「知ってる」

「ほらやっぱり聞こえてるんじゃんかー。シルバラのいじわる」

「ごめんって」

そんなことを言いながら歩いていると、ルキアが後ろから走ってきた。

「お、仲直りしたんだね。俺は別にしてもらわなくても良かったんだけど」

「ユイは渡さないからな」

「まだ諦めてないよ。チャンスはまだまだあるだろうし。ユイ、シルバラが嫌になったらいつでも俺のとこおいで」

「え、あ」

「行かせねーよ」

鷹松唯改めユイ、やっとヒロインになれました!

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乙女ゲームのヒロインに転生しましたが、なぜか婚約者に嫌われてます!! 有明野空海 @n0z0m1

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