―第四話 第一王子と急接近?―


最近、第一王子のルキア・エルバップつまりシルバラのお兄さんがどういうわけかちょくちょく私に話しかけてくるようになった。ルキアとは小さい頃シルバラと三人でよく遊んでいたので普通に話せるけど、顔面国宝すぎて直視できない。しかも性格も良いときたもんだから、本当に完璧王子様って感じ。いくら幼馴染といえど、イケメンと久しぶりに話すのは緊張する。

「私になにかご用ですか。ルキア様」

「ルキア様だなんてそんな他人行儀な呼び方はやめてくれよユイ。俺たち幼馴染だろ?」

「それはそうですけど一応年上ですから」

「いいからそんなの。そういえば、最近シルバラと喧嘩でもしたのか?険悪な雰囲気が漂ってるけど…」

「別に喧嘩したわけじゃないんだけど彼が私を嫌ってるみたいなの。私なにか気に障るようなことしたかな〜」

「そうなの?シルバラはユイのこと嫌いじゃないと思うけどな〜」

「いや絶対嫌われてる。私に対する程度だけ異常に冷たいの。はあ、婚約者がルキアだったらよかったのに…」

「え?それ本気で言ってる?シルバラより俺のほうがいいの?」

「まぁ、ルキアのほうが優しいし」

「俺だって誰にでも優しいわけじゃないよ。ユイだけだよ」

「え?なんで?」

「それは…。ユイのことが好きだから」

「もー、そんな冗談いらないからー」

「冗談じゃないよ。俺は昔からユイのこと好きだよ」

「そんなこと急に言われても…」

「困らせてごめんね。でも、俺の気持ちは知っていてほしいな」

「わ、わかった」

「ありがとう。こんなこと言っといてなんだけど今まで通り接してくれると嬉しい」

「うん。あ、私もう行くね」

そう言って足早に走ってきてしまった。ルキアが私のことを好き?いやいやそんなことあるわけ無い。でも、ルキアのあの真剣な表情、本気の顔だった。いきなりあんなこと言われても…今まで通り接するなんて無理に決まってんじゃん!ルキアの馬鹿。意識しちゃうじゃない。

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