第273話 終焉(7)

 だからその後は看護師さん達が医者の先生達へと。


「さ、冴島さんが本当に……」と。


「先生! 目を覚ましました!」と、驚きを隠せない顔をしながら宿直のお医者さんへと告げるから。


 病院の先生は「うん、うん」と頷く。


 そんな様子をお巡りさん達は見て、最初は驚愕していたけれど。最後は満身の笑みを浮かべながら。


「良かったですね」と、佐奈を含めた周りの人達へと告げ。


 最後に俺へと「良かったね」と告げてくれたから。


 俺はお巡りさん達に「はい」と、今度は元気よく返事をして、周りを見渡すように見詰めながら。


「佐奈のことをよろしくお願いします」と、俺は深々と頭を下げながらお礼を告げる。


 でッ、終われば俺は、佐奈の方へと視線を変え。


「ちょっといってくるから」と、不安な顔をしているアイツへと微笑みかけながら告げ。


「佐奈~、お父さんか、お母さんがきたら、俺を安佐北警察署まで迎えにきてくれとお願いだけしておいて、お願いだから」と、告げると。


「さぁ、行こうか」と、お巡りさん達が再度俺に告げてきた。


 だから俺は、今度は下を向き、肩を落とすようなことはしないで上を向き。


「はい」と。


「御迷惑おかけしました」と大きく、明るい声音で返事を返し、謝罪をして、佐奈の病室を元気に明るく、胸を張り退室したのだった。



 ◇◇◇



(完)


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婚約者だった彼女は かず斉入道 @kyukon

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