異世界転生ものでありながら、しっかりと戦国武将の実像に迫る

久秀の信念の強さと我が道を行く生き方からは、美意識を何よりも大切にする彼の価値観が見て取れます。美意識を踏みにじられることに激しい怒りを覚えるその姿は、周囲から見れば偏屈とも取れるでしょう。

一方で、当時の僧侶の堕落ぶりや、信長のような「茶の湯」の政治利用を鋭く批判するなど、権力に屈せず自分の信念を貫く久秀の姿勢は、彼なりの真っ直ぐさの表れと言えるかもしれません。

ギャグを交えたテアニンとの掛け合いを通して、久秀の破天荒だけれど魅力的な個性が存分に発揮されています。異世界転生ものでありながら、戦国武将の実像に迫ろうとしている興味深い試みだと思います。

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