第5話

ミョルという少し軽そうな言葉を残す男が去り、フウヤを起こそうと眠っているベッドの方を見ると体を起こしていた。

「おはようフウヤ。今、起こそうとしてたんだ。」

「おはようタツキ。てかお前いつの間に自分の名前思い出したんだ?」

「あれ?本当だ。いつだろ…」

フウヤに言われて自分が名前を思い出せていることに改めて気付く。だが、名前以外のことは何も思い出せない。昨日の夜、フウヤとご飯を食べている時に話して思ったがじぶんがここにくるまでの記憶が一切ない。フウヤも自分よりここに2日早く来たらしいが過去の記憶がないらしい。それ以外にもフウヤにきいてみたが自分は頭が悪いし、一人で安心出来なかったから質問がまとまらなくて、説明された時に質問が無いか聞かれたが思いつかなかったと話していてフウヤ自身も理解出来ていることが少ない状態だった。


そして部屋で朝食を2人で食べていると、部屋にノックがまた響く。扉を開けるとトーグが立っていた。

「すまない、まだ朝食を食べ切ってなかったか。」

「俺は大丈夫!」

「僕も大丈夫です。」

「後でまた、迎えに来るんだけど先にこれを渡しておこうと思ってね。」

2人で渡されたものを見ると本のようなものがいくつかあり、それにバッジのようなものを渡された。

「そのバッジは隣にある本の一つを読めばわかるけど部屋を出る時はつける決まりになってるから守ってね。あとはなくさないように。」

「「はい!」」

「じゃ僕はこれで一旦失礼するね。」

「トーグさん!」

僕は何となく名前を確かめたかったのと、自分の名前を思い出したことを伝えたかったので呼び止めた。

「ん?」

「あれから名前思い出しました!タツキです。あとそれから、名前の呼び方はトーグさんで大丈夫ですか?」

「タツキくんね。うん、僕の呼び方はなんでもいいよ。他はよかった?」

「はい、他は後でいっぱい聞きます。」

その言葉を聞いたらトーグは次の準備があるからと部屋を出ていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

愛のキョウイ 鈴治 @hinakaze

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ