第4話

目が覚めると窓から朝陽が差し込み部屋を照らしていた。

ベッドから体を起こし朝陽が差し込む窓から外を眺めてみると昨日は暗くて目視できなかったが、山脈の間から日が出ていてそれを山脈より手前にある湖らしき場所が綺麗に反射して、とても目覚めのいい芸術的な景色がそこには広がっていた。窓を開けてそこに右手を伸ばしてみたら、その手首に昨晩は見なかったアザが浮かんでいた。


数秒の間、景色に心を奪われていると部屋にノックの音が響き意識が戻り、そちらを振り向くと昨日は見なかったトーグという人より少し若目に見える首に少し角度のついた線のようなアザが入った男の人が立っていた。

「おはよう。あら、初めましての方だね。」

「おはようございます」と返すと「確か、昨日トーグから聞いたような…」と独り言のようなことを呟き、一人で納得したような様子を見せ困惑した表情をしているとそれに反応する様に「あー、ごめんごめん。こっちの話だから気にしないで、それよりまだ寝てるフウヤを起こしてあげてくれない?」と言葉が来た。

「わかりました。」と答えると「ありがと。任せたよ」といい、部屋を出ていったかなと思っていると何か思い出したかのように戻ってきて「そういや、自己紹介忘れてたね。僕はミョル、主に君たち…いや、僕たちシレズの生活の1部をサポートしてるかな。毎朝こうして起こして回ってるから、毎日顔を合わすお兄さんとでも思ってくれると助かるよ。これからよろしく〜」と笑顔で右手を顔の横で振りながら話した。

そして僕は当たり前のように「僕はタツキです。まだここのことを全く理解出来てないのでこれから助けてくれるとありがたいです。」と返した。

そして「うんうん。タツキくんね、りょーかい。」という言葉と何か探るような視線を残して去って行った。

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