独自の世界観に引き込まれる———そんな作品だ。

『人生難有り』という題名にまず興味をそそられる。そして、その題名からこの作品はどんな内容なのだろうか、と予想して読むが、その予想は良い意味で裏切られる。そうして読みきった後の何とも言えない余韻がたまらない。そんな三重構造で読者を楽しませてくれる作品だ。
主人公の老人と終盤に出てくる少女の儚さも相まって、『人生難有り』という作品の世界観に一気に引き込まれるので、是非とも多くの人に見てもらいたい。この場で私が具体的な説明をすると作品の良さが伝わらないので内容についての言葉は避けるが、この作品は素晴らしい。そう断言できる。