幻想的な世界観に取り残されたような不思議な余韻が味わえます。他の方もレビューに書いてましたが霧がかかっているような……。夢の中の微睡みのような……。そんな感覚が味わえました。読み終わった後に少し考えさせられる文学作品のような小説です。
不思議な読後感の短編である。情景描写は細かく書き込まれているが、全体的には逆に薄い霞のかかったような幻想的な雰囲気を感じる。ショートショートというよりは短編幻想小説として読むべきか。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(634文字)
『人生難有り』という題名にまず興味をそそられる。そして、その題名からこの作品はどんな内容なのだろうか、と予想して読むが、その予想は良い意味で裏切られる。そうして読みきった後の何とも言えない余韻がたまらない。そんな三重構造で読者を楽しませてくれる作品だ。主人公の老人と終盤に出てくる少女の儚さも相まって、『人生難有り』という作品の世界観に一気に引き込まれるので、是非とも多くの人に見てもらいたい。この場で私が具体的な説明をすると作品の良さが伝わらないので内容についての言葉は避けるが、この作品は素晴らしい。そう断言できる。
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