血臭と記憶が交差する──神殺しへ誘う異世界譚

血の匂いと夜風の冷たさが
皮膚感覚で迫る導入に一気に掴まれる。

世界の〝表と裏〟、記憶と忘却
演じる自分と本心――

二面性のテーマが
白いうさぎの姉妹の軽妙さと対照して
不穏にきらめく。

喪失の痛みから
「神殺し」の神話へ跳躍する推進力も鮮烈。

映像が浮かぶ地の文と
息抜きの台詞運びのバランスが絶妙で
次章の因果の回収と
語られざる規則の開示が待ち遠しい!!

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