つっけんどん。クラスの中でぽつんト一人、どこか三人称視点のように教室を俯瞰してしまう主人公。
00,10年代がにほふ高2病の中で、確かに渦巻くのは他人への警戒心。少し早熟な知性も相まって、自尊心と捨てきれないお人よしが、嫌みのない、いうなれば心地よい痛さとなって、読み手の親心をくすぐってきます。
そんな主人公を振り回すのが、クラスで嫌われた美少女。転落した女王というように、彼女もまた高慢さと、それにつりあった容姿を持ち、周りとの壁に苦しんでいます。
固く、強く、されど繊細。ほころびそうな棘を持った二人が、バンドを通じて少しずつ融かされていきます。解けていきます。そんなお話です。