概要
わたしがわたしでなくなるまで、あなたと一緒にいたいから。
何か大変なことが起きて、世界は原型を失っていく。でもそんなこと知ったことじゃない。何が起こっても『わたし』は『あなた』と一緒に、人間でいることを諦めたくなかった。法則も常識も認識も改変され、人が人でなくなる中、最後まで人間だった二人の少女の話。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!めくるめく暗黒幻想の世界を体感できる短編
少女ふたりが電車に乗り、世界の終わりから逃れようとする。
その様子を描いた小説です。
ただ、その「世界の終わり」の描写がすごい。
天使が落下し、電車のモニターには謎のテロップが流れ、五十億の芋虫がはいずり回る。
そして少女たち2人の存在も次第に……。
混沌とした光景が描かれているけど、ビジュアルがまざまざと想像できますし、その状況の中で、「2人」の心の動きが展開していく。
とくに、変わりゆくふたりがお互いをつなぎとめようとする様子は、異様でありつつも胸を締め付けます。
「世界の終わり」はこういうものかもしれない。そのとき最後に残された2人は、こういう気持ちかもしれない。
めくるめく幻想の…続きを読む