闇姫は逃さない


【side:鴉庭漆】


 ──好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き。


 アタシは翔真が好き。

 自分がこんなにも誰かを好きになるなんて思いもしなかった。

 でも悪い気はしない。

 むしろ恋をして最高の気分ですらある。


 アタシの今までの人生は全部、翔真と出会うまでの準備でしかなかったのだ。

 そう確信出来るくらい彼が愛おしくてやまない。


 翔真に対して感じていた、外と内の齟齬。

 その根本はなんてことなかった。

 彼は高校デビューをして本来とは違う自分を装っていたのだ。


 そうなるまでにどれだけの努力を重ねたのか、アタシには計り知れないし絶対に真似出来ない。

 そもそも変わろうなんて思ったことすらなかったから。


 共感は出来ないけど、実際に変わった翔真の努力は凄まじいことだけは理解出来る。

 何より彼の凄いところは、一度だけで満足せずもっと変わろうとするところだ。

 どうしてお姉ちゃんが翔真をモデルに誘ったのか、やっと分かった。


 見たいんだ。

 翔真がどこまで成長していけるのか。


 アタシも見たい。

 彼の傍で、彼というさなぎがどんな蝶になるのか。


 それで大事に大事に育てて、アタシの周りを飛べるように。

 あぁでも迂闊に飛んで行ってしまわないように、ちゃんと紐で括り付けておかなくちゃ。

 今の翔真は凄く魅力的だから、ちゃんとアタシのだって知らしめる必要がある。


 そうじゃないとまたあの女みたいな邪魔が入るから。

 あれ、そういえばどんな顔でどんな名前だったっけ?

 まぁいいや。

 忘れるってことはどうでも良いことなんだと思う。


 それにもし翔真を傷付けるようなヤツなら、また手を下せば良いだけの話。

 仕方ないよね、アタシと翔真の邪魔になるんだから。

 余計な雑草は抜いて置かないと花の養分を横取りしてしまう。


 大丈夫だよ、翔真。

 アタシがちゃんと守ってあげるから。


 その代わり──他の誰よりもアタシだけに溺れて。


 離れちゃダメだから。

 逃げるなんて絶対にダメ。

 ずっとずっとずっとずっとずぅぅぅぅぅぅぅぅっと、アタシの傍にいて?


 大好きだよ、翔真。




【第一章、完】



 ========



 どうも、青野です!

 闇姫、如何だったでしょうか?


 ○姫系のヒロイン書きたいなぁと思い、なんとなく浮かんだのが地雷系を着た闇姫でした。

 続きもあるにはあるのですが、流石に連日の更新でそれなりに無茶をしたのでしばらく休みたいです(笑)

 更新の目処が立ちましたらまたお知らせします。


 毎週金曜日更新中


 両親の借金を返すためにヤバいとこへ売られた俺、吸血鬼のお嬢様に買われて美少女メイドのエサにされた

https://kakuyomu.jp/works/16816452220811029883



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高校デビューに失敗した結果、クラスで『闇姫』と呼ばれてるボッチな地雷系女子に懐かれた件 青野 瀬樹斗 @aono0811

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