これは、彼の創作世界へ続く扉。

圧倒的透明感と躍動感を誇るホロウライトとは、一線を画す伊草ワールドに飛び込める短編集です。

二話目にあたる「観測」は、掌編らしいパリっとした起承転結を味わえる一本です。
物語の書き手ならば、ついうなずいてしまうようなテーマが扱われています。

はじめて伊草様の作品に触れられる方には、ぜひ「荒天」を読んでいただきたい。
この作家様が作品を通して見ている、特異な風景、聞こえている音。
それにどんな言葉をあて、ルビをふり、なんと表現するかが体験できます。

この人、只者じゃないな、と思われたら長編『識域のホロウライト』へも、ぜひ足をお運びください。

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