夢か現か

宮川雨

夢か現か

今日はひどく疲れた。最近は仕事やら家事やらプライベートなことがとにかく忙しくて目が回る日々を過ごしている。そのせいかここ数日は気晴らしにゲームをやっても小説を読んでも楽しいとすら思わなくなってしまった。むしろストレスを感じてしまうほどだ。そして今日はついに食事をとるのも風呂に入るのも面倒くさいと感じている。

さすがに休まないとまずいと感じたためまだ18時と寝るには早すぎる時間ではあるが寝ることにした。1食くらい抜いても別に問題ない、風呂も明日の朝にでもシャワーを浴びればいい。そう考えて布団に入ると疲れているからかすぐに眠気がきて意識がぼんやりとしていくのがわかった。


どこからかピンポンとチャイムのなる音が聞こえる。私は身体を動かすことができなかったが、誰かがドアを開ける気配がした。するとどこからか食事のいい匂いがして私はそのいい匂いがする何かを口にした。もぐもぐと口を動かし食べて満足したらいつもはすぐに食器を片付けているのにシンクに置きっぱなしにして私は誰かと話し始める。何の話をしているのかわからないがケラケラと笑っていた。次の瞬間その人は私に刃物を向けて腹をあたりにそれを刺した。抵抗もせずにただただ切りつけられる私。痛みと苦しさを感じたその時、私は目が覚めた。


目を開けた瞬間、私は刺されたお腹のあたりを触った。確かに痛かった、苦しかったのにそこに傷はない。全て夢だったのか? いや、でもチャイムの音は確かになったはずだ。郵便物の不在票がポストに入っている。では食事をとったのか? シンクのなかを見てみるとそこには汚れた食器は何もない。ではあの匂いは? 痛みは? 息苦しさは? ほんとうに、この部屋には誰も入ってこなかったのか?


どこからどこまでが夢で、どこからが現実だ?


ああ、眠るのが恐ろしい。

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夢か現か 宮川雨 @sumire12064

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