第8話丸八寿司

石川と寺島は仲良く話していたが、田中、弓削はカウンターに並べられる、日本三大珍味に期待した。

清水と山崎はまだ、日本酒を飲みながらニコリと微笑んでいた。

先ず、田中はカラスミを口に運ぶ。

「……しょっぱいですね」

と、言う。

ウニを食べた弓削は、

「こっちも、しょっぱいよ」

と、2人で珍味をしょっぱいと評した。

それを聴いていた、石川と寺島もカラスミを口に運び、同じ様なコメントをした。

「馬鹿だなぁ〜、日本三大珍味って言うけど、そんなもんなんだ。俺達に料亭の味は合わないんだ。だから、この寒ブリの刺し身で酒を飲むのさ。ダメなんだよ。庶民は庶民の味があるんだ」

と、清水が言って満足していると、

「清水君は、この前、キャビアをネット注文して、大量に食べてお腹壊したじゃないか!」

と、山崎がたしなめていたのだが、

「シィー、聞こえちゃまずいよ」

突然、弓削は鬼の首を取ったかのように、

「清水主任、私達に説教して、キャビアで下痢ですか?」

「ち、違う!早く飲め!」

「山崎さん!」

「僕ら、もっと清水さんのウラ話聴きたいです」

「そうかそうか」

清水は黙っていた。好きな様に殺してくれっ!と、久保田を飲んでいた。


「清水君はね、お腹が弱くてね。通勤途中でトイレに入ったら、トイレットペーパーが無くて、その日に会議で使う書類で拭いたんだ。ま、原本はあるからセーフだったが、清水君はね最悪の日だったって、言うの。そりゃあそうだよね」

女性陣は爆笑した。あの、清水さんがそんなピンチがあったとは、と。


「山崎君だって、酔っ払って、いい露天風呂だ!と、言いながら、錦鯉の泳ぐ池に浸かっていたじゃないか?」

また、みんなが大笑い。

「係長、僕はこの前帰宅途中にウンコ漏らしました!」

女性陣は顕に嫌な顔をした。

寺島は、清水と山崎の間に席を移した。

哀れ、石川はこの日以降、パンパースと言うあだ名が付いた。

この晩は、6人はバラバラに帰宅した。


帰宅途中、清水はがっくり項垂れたい志かわに声を掛けた。

そして、清水と石川はラーメン屋に向かった。

清水はチャーシュー麺、石川は台湾ラーメンにした。

石川は寺島との関係を相談した。

「あんな、冗談の分からない女は辞めておけ。ウンコなんて、オレは何回も漏らしとる」

「うわっ、お漏らし常習犯ですね」

「アハハハ。君のあだ名がパンパースとは笑えるわ」

「辞めて下さいよ〜」

こうして、居酒屋でまたまた別の話しがあるのだが、それは次回。

業務上横領を犯した人物との対決である。

さて、誰なのか?

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居酒屋 羽弦トリス @September-0919

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