メロディーが流れている気がする

物語の展開がありがちにみせて、絶妙に捻ってあり、最後まで読みたいと思わされます。山、谷の作り方に王道を使っても、それに張り合わせる心理描写(曲でいったら和声)は独創的、だから新鮮なクラシックとして仕上がっているのでしょうか。
 最後のカタルシス(あるいはカタルシス未満)がこの文章を単なる告白でなく、美しい作品に変えるのに絶妙な役割をしていると感じました。

 読む間、スタイル・カウンシルの曲にのせて歌う、ジョン・レノンの声が聞こえていました。

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