何が本当? このSFチックホラーの先にあるのは、僕たちにとってのリアル

呪いとデジタル。
ホラーとSF。
一見、調和しないようですが。
僕らの住んでいる現代って、ある意味オカルトとSFが共存しているような世界なんだなぁって、思わされた読後感でした。

メンタルを削りながら、情報の海に溺れて。
どれが本当か分からない。
何を信じて良いか分からない。

これは何より、僕らのリアルだと感じてしまいます。

ぜひ注目して欲しいのは、各エピソードのタイトル。
読みながら、まるで富士の樹海
もしくは、ブラックホールの中、迷い込んだかのような錯覚を憶えます。

もう、この物語に身を委ねて。トリップしたら良いと思うんです。
トリップしたその先に、きっと光が視えるから。

そんな充足感に満ちたホラーでした。