登場人物紹介(ネタバレあり)


 ラーミウ(30→40)

  主人公。童顔の中肉中背の優男。全然老けない平凡男。だがその実筋力は人一人倍あり、拳が武器になりがち。翡翠族ヤシュムの生まれだが、生まれつき黄色い目を有していたゆえ、一族に悪兆と恐れられ十二歳まで幽閉されていた。十二歳のとき白鏡のサクルに救い出され、それ以来サクルに尽くすことが彼の生きる意味となる。武術も学問も芸事もなんでもできるがある意味精神年齢が十二で止まっていた残念な男。一人称は僕で、隙を見せてはならないという心からずっと敬語を用いている。30歳で緑珠りょくじゅに転身している。


 シハーブ(?)

  30歳で都に戻ってきていたラーミウを暴漢から救った(?)の若者。傍目は15歳の絶世の美少年。小柄だが手足が大きい(ことには気付かせていない)。喧嘩と美しい人間と賭け事と酒が好き。美しければ女も男も好む。力はラーミウよりあり、戦闘能力も高い。口が非常に悪く、常ににやにや嗤いを浮かべている。その正体は、夜の民ザラーム鏡渡ノ玄星カガミワタシノゲンセイと白鏡のアウスが混ざりあったもので、人格は玄星のもの。シハーブは玄星の「星」の字から適当にジャウハラっぽい男の名前にしただけ。一人称は俺としているが、玄星と名乗ってからは私と混在している。



 ナジュム(45)

  筋骨隆々で長身の美丈夫。三白眼で目つきは悪い。常は無表情だが、困惑すると顔に出る。夜の民ザラームとジャウハラを繋ぐ者。ただし代行である。左足を失っており、杖を付いて生活をしているが、刀は振るえる。兄は元緑珠のミシュアル。平民の出自で、ミシュアルを守るために付き人として十のときから宮に仕えていた。本編では触れていないが、笛と武術は玄星から習った。一人称は私(もともとは俺)。実は口調はアウスを真似ている。


 夜刀/ヤト(?)

  本名守司ノ夜刀モリヅカサノヤト 。シハーブが正体を隠している間は繋ぎの代行をしていたが、繋ぎの守り手。男の見た目をしているが、性別はない。年齢を感じさせず、見方によっては女にも見える。細長く鋭い眼をしていて、すらりとした長身。名付け親は玄星。一人称は私。常に敬語を使っていたのは、そばにシハーブ(玄星)がいたため。玄星が大好きだが、素直でないので直接的なことは言わない。最も人間臭い性格をした夜の民ザラーム。後に正式な繋ぎとなり、後続の守り手も見つけている。その守り手が何者なのかはあえて触れていないが、実は……。


 玄星/ゲンセイ(?)

  本名鏡渡ノ玄星カガミワタシノゲンセイ。何百年も生きた夜の民ザラームの繋ぎ。楽しいことと美しいものをこよなく愛する。楽天家なところがある。偽名が複数あり、ライラやシハーブはそのうちのひとつ。気分で見た目を変えており、夜刀と出会ったときは大人な美女の姿を、サクルと出会ったときは愛らしい少女の姿をしていた。誤ってアウスを死なせてしまった後はアウスと共生することで、アウスを生かしていた。その後、世界のバランスをもとに戻すため、己の身を捧げた。一人称は私であるときが多いが、それも気分。



 サクル(45)

  左目だけ白銀をしていた白鏡。金剛石族アールマス出身。体調を崩して痩せこけていたが、実はかなりの美丈夫。身体の扱いは長けていたが、人付き合いや頭を使う作業を苦手としていた。玄星と出会い、少しでも国を平穏にできたらとひとり血を捧げていたが、還砂病かんさびょうで死亡。ラーミウを幽閉から救った張本人で、ラーミウの名付け親でもある。長身。一人称は私。


 アウス(15→)

  右目だけ白銀をしていた。金剛石族アールマス出身。15のとき玄星たちを庇って一度死亡。サクルの双子の弟。優秀で、卒なく何でもこなしていた。後にシハーブの表に出、白鏡として兄の守りたかった国を守るのに尽力する。なまじ成長期前で止まっていたため、背が低いのを気にしていた。一人称は私。


 カリーマ(78→88)

  サクルの先代から青珠せいじゅをしていた瑠璃族ラーザワルドの女性。短躯だが筋骨隆々としており、腕っぷしも強かった。(本編開始時は年齢もあり膝を痛めていた)サバサバとしている。一人称はあたし。子供はいないが、強い母ちゃんです。83で普通の人となり、兵士を教育する立場になった。


 ドゥリーヤ(45→55)

  サクルやアウスとは幼馴染の紅玉族ヤークートの女性。赤珠せきじゅ。小さな頃からカリーマに憧れていた。アウスの死後、サクルを支えるためにそばにいた。一人称はわたくし。敬語にしたのは、うっかりミーハーな素を隠すため。


 ミシュアル(20)

  平民出身の緑珠りょくじゅ。父親を虚ろ狼に殺され、それにより母親が過労死した(間接的に虚ろ狼に殺されたともいう)。引っ込み思案で、顔を前髪で隠していたが、美丈夫。性格に似合わず三白眼で目つきは鋭かった。虚ろ狼に弟の左足が飲まれた際、逆上して夜の民ザラームである玄星たちを殺めようとし、庇ったアウスの命を奪ってしまう。その後、自害した。


 マージド(35→45)

  カリーマと仲の良かった兵士ターハーの孫。翡翠族ヤシュム。筋骨隆々で剃髪にしており、首に白星付きの印の入れ墨を入れている。15のときからサクルに仕えており、17のときにラーミウと出会う。本編では触れていないが、実はラーミウとは従兄弟で、自分の実家がおかしいことに気が付き、サクルへ報告したのがラーミウ救出のきっかけ。その後はラーミウは実の弟かマブダチだと思っている。本人だけ。


 ターハー(80→86)

  翡翠族ヤシュムの兵士で実は高官。マージドの祖父で、カリーマと仲の良い兵士。カリーマに武術を教えた張本人だったりする。



 アイーシャ

  本編の途中で登場する、ラーミウの母親で翡翠族ヤシュムの女性。


 ダイフ&ガーダ

  本編の途中で登場する、マウジ村の村長とその孫娘。


 ファラ&ムニーラ

  本編の途中で登場する、都の住人で娼婦の女性たち。

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双頭の星は砂原に眠る 花野井あす @asu_hana

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