祝詞とともに奏でられる、純粋で熱い愛の物語

とても素敵なお話で、感動しました。

畏む(かしこむ)

読んでいるあいだ、この『畏む』という言葉がつねに心や脳の片隅にありました。
日本人らしい、自然や神への距離感を感じさせる言葉で、本作の和歌でも使われていました。

オリジナルの祝詞を書かれているというのが、まずそれ自体がすごい国語知識と感性がいると思うのですが、その祝詞が、作品をとおして静謐さと情熱を感じさせてくれました。

祝詞とは、運命や神を畏み、その決意や想いや愛を言葉にすることなのかな、とか、、
僕は本作を読みながら、そう感じました。

神や運命に翻弄され、受け入れつつも、その中で懸命にもがいて幸福や愛を掴みとる。
そんな、ピュアで情熱的で切ないお話でした。

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