圧巻の描写力

今にも途切れそうな生への執着。
冥色として忍び寄る死への切迫。
場所は集中治療室(ICU)。無機質に固められ、電子音が耳朶を打つ環境が、限りなく生と死とを隣り合わせるその描写力。
俯瞰的な眼差しから次第に死に近づいていく主人公。
もがきながら、暗中を彷徨いながら、家族の元へと想いをよせて、あぁ、愛しきこのひとときに心が溢れても、無情なる電子音は終焉を告げようと。。
死の宣告とも言えるけたたましいアラーム音、
望みを手繰り寄せようと縋り付く家族たちの想いが、交錯する。
抗え、戦え、諦めるな。
眼前に展開され抗い抜こうとする筆力に瞠若たらしめる。
圧巻です。

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