ある日届いた雄馬からの手紙。家に閉じこもっていた由香にとって、それは心の澱を優しく溶かし、想いが溢れ出していく彼からのメッセージでした。止まっていた時計が動き出し、カゴの中の飛ぶのをやめていた小鳥が外の世界へと目指そうとする、そんな明るい未来が見える読後感を得られます。時代に逆行してもなお、手紙という心の媒体の素晴らしさを教えてくれる温かい掌編です。