1年間オススメレビューした所感について
脳幹 まこと
記念であり通過点であり
Q.どのような経緯でレビュー活動を始めることにしたか?
「聲の形」という漫画を読む機会があって、惚れ込んだのがきっかけでした。特段その漫画が何かの審査をするような内容というわけでもないのですが、「とりあえず何かしてみよう」という気にさせられて、書きかけの連載小説を終わらせるのと、レビュー活動をするように決めた、というのが経緯ですね。
「どうせやるなら全部本文付きにしよう」とも思いました。
ただ星評価するとか、ひとことレビューであれば、おそらくもっと多く、楽にこなせるとは思ったのですが、個人的にやりたくありませんでした。
どの作品に星を与えたかを忘れるなんて残酷なことをしたくなかったので。
週に3作品というペース配分は、軽くやってみて都度調整しようとは思っていましたが、想像よりもしっくり来て、今まで続いています。
Q.レビューをする作品を選ぶ基準などはあるか?
本来であれば分け隔てなく選ぶのがベストではあるのですが、本業やプライベートがある以上、リソースは限られています。
すべての作品を読み進める余力はなかったため、かなり限定した条件にしています。
有り体に言えば、星が10以上あって、完結済の短編小説、かつランキングに入っていたり、直近一ヶ月で投稿されたものを優先的に見ています。(カクヨムは検索フィルタを細かく設定でき、保存できるのが嬉しいですね)
上記の基準でレビュー出来そうな作品がなければ、更に範囲を広げてといった具合です。
あと、可能であれば誰もレビューを書いていない作品を選ぶようにしていますかね。
Q.レビュー作業にはどれくらい時間がかかっている?
日によりムラはありますが、1作品あたり平均1時間程度でしょうか。
まず、レビューをするための作品を探すことに作業時間の半分を使っています。まあ、個人的に「☆☆☆だ」と思う作品と出会うまで続けるので、それくらいかかるのも仕方がないなと。
1年もまわっていれば流石に「良い文章だけど、以前レビューしたものとストーリーが被る」といったものも出てきます。あと、「同じ人が候補に入ってくるな……」というのも。
その場合は、意図的に優先度を下げていますね。見なくても「この人なら面白いだろうな」と分かりますから。
随分適当かとは思いますが、そういったルールを設けないとマンネリしてくる。
これもレビューをいくらかやってみると分かるのですが、読む分は面白い(だから星評価もしたい)けど、レビューを書くのには困る作品があるんです。
それでレビューを見送った経験も結構ありました。
やっぱりガツンとメッセージが来る作品とかコンセプトがはっきりしている作品は表現しやすいんですよね。
ただ今後については、もう少し視野を広げたいとも思っています。
Q.レビューをやっていて楽しいか?
うーん、こう言っちゃうとナンですが、分からないです。
というより、楽しいかどうかを考えたことがありませんでした。
作品を読むのとレビューを書くことは同じ熱意ではやっていないです。読むところまではワイワイ楽しみますけど、レビューを書く際は仕事してるような気分になってます。
ノリとしてはそうですね、読んで「クソワロタwww」と思う→真顔でレビューを書くという流れですね。
でも、それでいいんじゃないかと思ってますね。
楽しいものだと決めつけてしまうと、楽しくなくなった時にやめたくなりますから。
さっき「仕事してるような気分」と伝えましたが、「仕事のように思わなければ、とても続けられなかった」というほうが近いと思います。
仕事じゃなければやらなくてもよいとなり、1回でもやめたら、もうそれっきりになりそうだったんで。
Q.レビュー時に意識していることはあるか?
一文で終わらないようにしているのはあります。
正直、これは「面白い!」だけの方がいいよなあとか、野暮なこと書いてるよなあと思うことなんて山ほどあるのですが、このレビュー作業が「自分のため」という思いが強いので、無粋だと分かりつつも長文レビューを出してます。
あとは、書いた内容には責任を持つようにしています。
レビューの文章によっては傷つけるかもしれないし、実態と乖離した情報を流すことになるかもしれない。だからまあ、文章はきちんと読むし、仮に指摘されても返答できるようにする(幸いなことに「指摘」は一度もなかったのですが……)とか、そういった準備はやっておきます。
別に自分の性格がまじめとかではないと思ってます。まじめな性格と、「何かをまじめにやる」って多分別物なんでしょうね。
まじめだから責任を持つんじゃなくて、責任を持つからまじめになるんですかね。
Q.レビュー活動で嬉しかったことは?
さっきから「仕事」とか「まじめ」とか何かカッコいいこと言ってましたが、自分の作品を投稿したらPVとか評価とか気になるのと同じで、レビューに対してもやっぱりエゴサーチはしています。
オススメレビューすると、レビュータイトルが書籍の推薦文みたいに出てくるんですよね。(ランダムだけど)あれはやっぱり嬉しいかな。
あとはマメな作者の方は、レビューや応援コメントした人を近況などでお礼したりもするので、まあ「ホッ」とはなりますね。
Q.自分のレビューにGOODされると嬉しい?
無論嬉しいのですが……繰り返しやっていると、レビューする前の時点で「この人だったらGOODするだろうな」という大体の予想が立ってしまうんですよね。
ぶっちゃけると、その方の著作を二、三見て、他の方がしたレビューに「GOOD」が立っていれば。
後でも話すつもりではあるんですが、あんまり期待はしない方がいいですね。見返りを求めだしたら危険信号だと思った方がいいかと。
Q.レビューした作品がバズったりした経験は?
100%とは言えないでしょうけど、ない……と言わざるを得ないですかね。
結局レビュアーの影響力も知名度により、としか言いようがないんですよ。
例えば近くの定食屋さんのレビューを書くにしたって、私がいろいろ分析したものを書いたとしても有象無象の1つでしょうけど、藤井聡太さんが「美味しかったです」と一文書いたらもうそこは大反響でしょうね。
確かに「自分が書いた後伸びてるな」って思ったこともありました。でも、そういう作品はそもそもレビュー書く前から順調に伸びてるんですよね。
作品を投稿して評価されなかったりすると「自信あったんだけどな」と思ったりしますが、レビューもおんなじです。
Q.レビューしててキツいなと思ったことは?
うまいことやボケを言おうとして空振ったときですね。
あとはいつの間にか「自分を語る」状態になってたりとか。
「お前は人様の土俵で何を気持ち良さげにクソ垂れてんじゃ」と自分をはっ倒したくなる。
それとは関係なくコメディ系の作品レビューは結構難しいと思ってます。
テンポとかネタのキレの良さとかって、理性より感情の世界にあるんで、単純に「クソワロタ」とだけ書いた方が絶対好ましいと思うんですよね……
Q.☆の数が違うと何か変わったりしたか?
うーん、これは個人的な意見なんですが……☆の数って要するに「ブランドならではの安心感」みたいなものだと思ってるんですよね。
確かに☆が多いと面白い傾向はあると思いますけど、じゃあ、☆3000の作品と☆30の作品で100倍面白さが違うかって言ったらそんなわけないですよね。
発想の内容自体は☆が多い人、少ない人でそんなに変わらない気がするんですよ。
☆が少なくても俗に言う「何を食ったらこんな発想できるんだ」といった作品は多数見かけましたし。
ただ、強いて挙げるとすると☆が多い人は「何を食ったらこんな発想を物語として成立させられるんだ」という印象が強い。
つまり、タイトルでオチてたり、冒頭(連載モノだったら一話)がクライマックスで、後はやりきってるせいか勢いが落ちる作品もあるんだけど、それをちゃんと終わりまで繋げられる能力というか。
これは短編しかレビューしていない人の意見なので、長編モノだとまた、キャラクターの魅力とか、カタルシスの要素とか、そういった観点が出てくるとは思うんですけどね。
Q.結局、レビュー活動による効果はあったのか?
マイナスにはならない……とだけ。
明確なプラスを期待するのは止めた方がいいと思いますね。
当たり前の話で、相手の作品を評価するのと、面白い作品を書くのは違う土台の話なので。
まあ、効果というよりかは、体感ではありますが、誰かに向けた行動について「迷惑になるかも……」と思うことは大切なんだけど、そう思い続ける限り前進もないんだなとは思いました。
行動するなら、何にせよ誰かに迷惑をかけるリスクは背負わないといけないので、迷惑をかけることそのものを心配するよりかは、何で迷惑をかけるかに責任を負うべきなのかと。
これもプラスかは分からないけれども、やっぱり「自分より尖っている人ってたくさんいるんだなあ」ってことを痛感する点ですか。
なんだかんだ創作する人って何かしら「自分だけの能力」に期待する節があるので、レビュー活動を通じて「自分だけ」じゃないじゃんとは思いますね。
ここまで続けてこられたってことは、
Q.最後に一言
好き勝手やってきましたが、まだ通過点だとも思っています。
正しいレビュー、良いレビューというのが一体何なのか、まったく掴めてはいませんが、「こいつの説明文で興味が出てきたぞ」と思わせられるよう邁進していきます。
今後ともよろしくお願いします。
1年間オススメレビューした所感について 脳幹 まこと @ReviveSoul
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