ほのぼのした語りや風景は童話のよう。だがそこは、病の木のある死神の世界
- ★★★ Excellent!!!
記憶を失い、見知らぬ森の中で目覚めた、優しい少年ロミ。
そんな彼を拾って、親切にしてくれたのは、死神のウィル。
そして訳あり少年の、オリオ。
のどかで美しいその場所は、なんと、死神の住む世界でした。
ほのぼのした語りや風景は、ほっこりできる童話のようです。
が、人間の命を刈り取る死神の植物園には、病の木が育てられているという、発想や設定がすごい作品。
そして主人公ロミも、美しい病の幼木に魅せられていくのです。
一見、平穏で温和な世界の下に潜む、人の生死観への問いかけに、答えはみつかるのでしょうか。
読みやすく、価値観というものを考えさせてくれて、とても面白いです。
ぜひ、おすすめします。