シンパシー

ブンブン丸

第1話

無言で何が伝えられるだろうか

無音で何が聞こえるだろうか


何も分からない


周囲が分かるのは

悲しいけれどそれだけだ


時には

言葉もなしに通じ合うこともあるけれど

それは万事に当てはることではないよ


なにが辛いの？

どうして欲しいの？

これでいいの？

それとも嫌なの？


全ての事象には間違いなく終わりがあって


誰もかれも

永遠にあなたへ問いかけはできない

永遠にあなたを待つ事もできない


誰もかれも

発した音がやまびこのように

ただ反響して消えていくだけならば


あなたに問いかける意味すら

いずれ見失ってしまう


めまぐるしい日々の喧騒の中に

あなたの無音はやがてかき消えてしまう


もし無音ではないと思うのなら

もう少しだけボリュームをあげてくれないか

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

シンパシー ブンブン丸 @bunbun-maru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

App Storeからカクヨムアプリをダウンロード

Google Playでカクヨムアプリを手に入れよう

この小説のおすすめレビューを見る