第3話 生首をポン

 さて、あの謎の男性器の話は、結局、どういうものか、誰も、解明が出来なかった。



 更に、帰りの女子高校生を驚かそうと、アソコに蛍光塗料を塗った、変態先生は、泣くように頼むので、



「今回は、見逃すけど、今度もう一回でも、同じ事をしたら、一発で、警察行きよ!」

と、生徒会長の浜辺渚が、言った。



「あ、ありがとう。この御恩は絶対に忘れいし、それに、私の全ての知識を使って、あの謎の男性器を謎を、追ってみるよ……」



 で、この一件は、落着した。



 そのように、思えたのだ。



 しかし、あの三人、つまり、橋本優子、今田環奈、浜辺渚の下駄箱に、同時に、



「帰り道には気を付けろよ」と、明らかに、パソコンのプリンターのゴシック体で書いた脅迫文が入って居た事だ。



 即、あの、この前の生物担当の岩尾先生が思い付いた。



 で、三人で、職員室へ押し掛けた。



「先生でしょう、これを書いたのは?」



 しかし、岩尾先生は、ガンとして、

「この私じゃ絶対に無い。今は、この前の超常現象の解明に、力を注いでおり、そんな馬鹿げた事などする訳が無い。そんな暇も無い。



 ここでは何なので、少し、場所を変えて説明するから……」



「ホントよね、今度、嘘付いたら只じゃ置かないからね」と、浜辺渚会長が念を押す。



 そして、誰もいない理科室で、岩尾先生は、徐(おもむろ)に、デジタル・ボイス・レコーダーを取り出した。



「ともかく、前回の時は、浜辺会長らのお情けによって、警察に突き出されずに済んだのだ。

 あのまま、警察に突き出されていたら、公然わいせつ罪で、一発で、懲戒免職だろう。



 そこで、あの時の恩に報いるためにも、この私も、精一杯、努力しているのだ。



 で、強制性交、いや、現在では、不同意性交と言うらしいが、その被害者とされる立花優子ちゃんに、直接、会って、聞いた話が、これなのだよ……」



 三人とも、興味津々で、耳をダンボのようにして聞いている。



「それが、不思議なのよねえ……。誰も、人影も無いのに、急に、体が地面に押し倒されて、スカートは捲(まく)られるは、下着は脱がされるは。でも、そこには誰もいないのよ」



 明らかに、立花優子の声であった。特に、大親友の今田環奈は、即、確信した。



「まさか、生成AIでの偽音声じゃ無いでしょうね?」と、浜辺渚会長は、あくまで疑り深い。



「私は、御年53歳だよ。こんなジジイに、生成AIを使って、このような偽音声を作れるだけの能力は無いよ」



「で、うっすらと光る、屹立した男性器のみが、私のアソコを狙って突進して来たのよ」



「じゃ、立花優子ちゃんは、その謎の物体に、ハメられたとか?」と、岩尾先生が聞く。



「訳、無いじゃん。これでも、私は、浜辺渚会長と同じ、剛柔流の空手道場に通っていたのよ。



 まあ、彼女は黒帯、私は、そこまで行け無かったけど、右手の手刀で、地面に叩き落としてやったわよ。だから、完全に無傷。



 でも、あのうっすらと光る屹立した男性器は、一体、何だったのかしら?」



「手刀で叩き落とした時、手刀に、何かが当たった感触はありましたか?」と、なおも岩尾先生は聞く。



「そう言われて見れば、何の感触も無かったわ」



「じゃ、このスマホの画面に映っているこれと同じ物では?」と、更に岩尾先生は言った。



「ああ、正に、これと同じ格好をしていたわ。でも、岩尾先生、どうやってこの摩訶不思議な物体の撮影に、成功したのですか?」



「それは、私の口からは言い辛いので、生徒会長の浜辺渚会長に直接聞いて見て下さい」



 ここで、録音は、終わっていた。



 三人とも、シーンとして聞いていた。

 ただ、何より朗報だったのは、立花優子ちゃんが無事だった事と、明日から、再び、女子高校に来ると言う話だった。



 が、次の日、立花優子は、学校に来なかった。



 で、例の三人で、立花優子ちゃんちへ、様子を見に行く事にした。



 しかし、夕方、女子高校の帰り道、三人が目にしたのは、道端にポンと置いてある、鋭利な刃物で切断された、立花優子の「生首」だったのである!!! 

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女子高校の帰り道!!! 立花 優 @ivchan1202

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