姉の生首と暮らす平穏な日常……もちろん一筋縄でいくわけがない!

 とろとろと眠り、ときどき目覚める「姉の生首」。
 姉と暮らす主人公はその姉を慕わしく思っている。
 姉もまた、妹である彼女を大切にしているようで……

 平穏な日常に、ときおり差し挟まれる不穏。

 不穏と言えば、『生首と暮らす』そのものが不穏なのだが、作者にはそれを日常として読ませる技量がある。
 姉の変化、母の記憶、親戚の不幸……

 物語はどこへ向かうのか?
 まろやかな蜜に包まれた白い骨を齧ってしまったような感触の、怖い物語。