第2話 解答編

「鑑別書と鑑定書の違いですね」

 芽衣子さんが確認してきた。

「似たような言葉だから、何が異なるのか知りたい」

 手のひらにあったルースをトレーに戻して聞いた。


「同じような言葉に思えますが実際は異なります。鑑定書はダイヤモンドのみに使用して、品質評価に使われます」

「ダイヤモンドのみだからテレビショッピングで聞いた覚えがあったのね。そうすると鑑別書はダイヤモンド以外の品質を評価するの?」


「それは違います」

 私の予想は外れてしまった。

「芽衣子さん、鑑別書の意味を教えてほしい」


「鑑別書はすべての宝石が対象です。調べる内容は、その宝石が天然かどうか、場合によっては処理の有無などが記載されます」

「本物か偽物か分かると言うこと?」


「鑑別書は天然なのかが重要になります。本物の宝石でも過度な処理があると、価値が下がるからです。また鑑別書では品質は評価しません」

 頭の中で芽衣子さんの説明をまとめてみた。鑑定書はダイヤモンドのみで品質を評価する。それにたいして鑑別書は、全ての宝石で可能で天然かがわかる。


「鑑別書と鑑定書の違いが何となく分かったけれど、鑑定書の品質評価は具体的には何を評価するの?」

「評価項目は、重さのカラット、色味のカラー、透明度のクラリティー、形状のカットです。英語表記ですべての頭文字がCなので、4Cとも呼ばれています」


「たしかに色味や透明度で価値が変わりそう。形状もよいカットと悪いカットだと価値が異なるから、品質評価になるのね」

「その通りです。ただ同じ品質評価結果でも、実際の宝石を見ると雰囲気が異なります。もしダイヤモンドを購入するときは、鑑定書の結果だけではなくて、自分の目を信じるのが1番です」


 さいごは自分でみて、気に入ったルースを選ぶのがよさそうね。

「高額品や天然か不安になったら、鑑別書か鑑定書をとってみるね。でも分析すると思うから費用が高そう」

「安くはありませんが、重要な宝石には実施したほうがよいと思います。またソーティングと呼ばれる簡易版もあります」


 これからたくさんのルースを購入する機会があると思う。芽衣子さんのアドバイスを参考にして楽しくルースを選びたい。

「教えてくれてありがとう。ほかのルースも眺めてみるね」

 ほかのルースへ視線を移した。時間を忘れてオパールを堪能した。


(了)

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宝石オパールは語る_10 ~似ているけれど~ 色石ひかる @play_of_color

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