沖田ねてる監修『二人ぼっちの即興劇』それは、不器用な青春満天な超大作!

 さぁてさぁて。
 二人ぼっちの即興劇。即興劇は(エチュード)と読みます。
 舞台は潰れかけの演劇部で、演者は新藤リョウイチ(陽キャ嫌い)と瀬川サクラコ(超ギャル)、そしてひよこ饅頭と通りすがりのダビデ像、頑張ってる人しか助けない会長サマ、憎たらしい口調な咲田……。
 潰れかけの演劇部に会長サマが廃部を突きつけに来るところから話は始まり、廃部させないために、部員集めするところから話は始まります。
 そこから三人が集まり、残り一人……というところで、ハプニングが起こり、ヤバいやばいやばいー! というところが何度も起こるドタバタハチャメチャな青春コメディです。

 この作品のすごいところ、というかねてるさんのすごいところは、やっぱり特徴的なキャラクター。異常なほどに特徴的なんです。
 それは今回も同じなのですが、主役から脇役まで、それぞれの味がすごくて、それぞれの役割をしっかり果たしてくれることで、話がキャラクター主体で勝手に進んでいくんです。それは、誰か一人でも欠けたら成立することはありません。

 また、ストーリー構成もすごい。
 どちらかと言えば王道なのですが、本当に些細なことが繋がってきて、気の抜けないんですよね。
 どうなるどうなる? と、陰キャらしい語りからぐいぐいと引き込まれて行きます。

 今回で言うと、沖田ねてる愛読者には「うおー!」ってなる仕掛けがあるので、そこも注意深く読み進めてみてください。

 果たして、二人ぼっちの即興劇の舞台は上がるのか、無事に舞台は成功するのか、そして続くのか?
 ぜひ、こっそり彼等の舞台裏をのぞいてみてください! 懸命に頑張る彼らに、思わず感情移入してしまいます!