隠しきれなかった壁の穴

 この日が来てしまった。

 能力の限界が来た。

 街の崩壊の日。

 背景には何がある?

 混沌が満ち溢れている。

 例によって伝説上の生物だとか、

 よっぽどのことではお目にかかれないような

 理外の超常現象が

雪崩のように向かってくる。

 壊された。どうしても塞ぎきれなかった穴をこじ開けて

 スゥッと入ってきてしまった。

 ルートを解析して早くこの騒動を止めなくては。

 あの街へ逃げよう。

 無いかもしれないが賭けだ。

 たった1日前の予言の手紙を送ってきたあの街へ。

 ノートを一枚破り、その街へ送る。

 街は絶望が嵐のように渦巻いている。

 碧録にかがる松明の炎のように、

 いく先々を照らし、私が

 希望となるしか住民が生き残る方法は思いつかない。

 真っ直ぐに、真っ直ぐに目的地へ向かう。

 スムーズに行けばすぐに着くだろう。

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