第6話 屋根裏部屋に潜むもの

中学生になり、携帯を買ってもらった。

彼氏もできて1人で電話したくて、自分の部屋で遅くまで電話することが日課になっていた。


自分の部屋で寝れば良いのだが、引き戸式の押入れが何度閉めても開く。月刊の分厚い漫画を置いて扉にガムテープをしても朝起きると

開いていた時には、流石に怖くなった。

そして、その押入れの上に屋根裏に続く天井板が動いていた。

怖くてそれ以上見ることはできなかった。


以来、下の部屋で母と寝るようにした。

いつもはそうなのだ。

この日は、寝落ちしてしまった。


夜中目が覚めて部屋の電気がつけっぱなしだった。起きあがろうとするが、身体が動かない。

しまった!金縛りだ。


「この部屋で夜中に金縛りにあうなんて最悪だ。」と思った。

私の意識とは別に寝返りを打たされ目の前には

あの押入れがある。そして、絶対に閉めたはずの押入れが開いていた。


怖くて、「お母さん来て助けて!」と何度も念じた。


すると、


「あんた下で寝ないの?」と奇跡的に母が部屋を開けてくれたのだった。助かった。


母が来る直前に、

何か手のようなものが見えたが、夢だったのか何なのか。ただ部屋から出るとき、押入れは

手が出せるほどの隙間が開いていた。




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私のオカシナ家 @noahmaru

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