私が小説を書く理由

 最近、Twitter(X)でこんな質問を見かけました。

 正確な文言は覚えていませんが、「この時代にあなたが小説を書くのはなぜ?」といったもの。このアニメや動画全盛期にわざわざ小説を選ぶ理由を聞いてみたい、といった趣旨だったようです。

 この質問自体は高校生向けのものだった為回答は控えましたが、ちょっと語ってみたいなと思ったので、今この文を書いています。

 ちょっとどころか相当暗い文章になってしまった気がするので、気になる方だけどうぞ。



 私が小説を書く理由はもちろん、本や読書が好きだから。


 …と、胸を張って言えたらいいんですが、そんなお綺麗な理由だけではないんですよね。無論、小さい頃から本や読書は大好きですし、本屋や図書館に入り浸るのも好きなので、それも理由の一つではあると思います。

 なのですが、自分が小説を書く理由を改めて考えてみたところ、



 ─圧倒的に絵が描けないから。

 というか、美的センスというものが完全に欠けているから。



 という答えに至りました。…悲しい。

 いや、ほんとのほんとに「最初」を考えれば理由は別にあるのですが、それに関しても「自分は絵が描けない」という自覚(ある意味自負と言ってもいいかもしれない)があったが故のものなので間違ってはいません。


 あ、ちなみに本当の最初というのは、とあるフリーゲームサイトの小説投稿欄に投稿されていた小説を色々と読んでいるうちに、「私もやってみたい」と思ったことです。そのサイトはイラスト投稿のページもあって、そちらもものすごく楽しんでいたのですが、「やってみよう」と思わされ、かつ本当にやってしまったのは小説の方だけだった…というだけの話です。



 本当にね、描けたら描いてますよ、絵は。絵の才が少しでもあれば描いてた構想がいくつあることか…。きっと背景とか細々とこだわりを盛り込んだアイテムとかを描き込んでるんだろうな、と思います。

 実際、文章でも自作のファンタジー(=現代ものに比べると比較的自由度が高い)においては、登場人物の配色をきっちり設定したり、色々と重要なアイテム持たせたりとかやってます。


 ただ、それを絵で描くだけの才がない。


 私の場合、センスがないと言うのは絵を描く才能センスがないというのもそうですし、美的センスという意味でも持ち合わせておりません。

 一言で言えば「ダサい」。これに尽きます。


 だからこそ、私が空想上の世界を小説でえがいているのは、服装とか髪型とかといった「センス」が必要になるもの、言い換えれば「下手にやるとダサくなる」ものに関しては、最悪書かなくてもなんとかなるから…なのだと思います。

 絵では避けて通れないその部分も、小説では黒々とした小さな文字だけですもの。


 …絵描きの皆様にも字書きの皆様にも失礼な発言をしているのは百も承知です。

 大変申し訳ございませんでした。


 文字だけと言ってしまうのは簡単ですが、ただ文章と言っても行間、語尾、句読点などの記号といった、一見小さな要素で見え方が大きく変化してしまう。

 ファンであれば誰もが知っている設定から書く二次創作ならばなんとかなっても、作者の頭にしかその世界は存在しない一次創作では、その印象は文字一つで簡単に変わってしまう。否、変えられてしまう。

 駒野として活動してきたこの半年間で、痛いほどに実感致しました。



 まあ、私の反省はともかく。

 そんなわけなので、ファンタジー作品におけるカラーリングも毎回毎回ドキドキしながら設定しています。『客人令嬢』の子たちが、目の色はともかく髪色は案外普通寄り(茶色とか黒とか白とか)になっているのは、安牌をとっているということになりましょうか。その辺りなら、どんな色でも合わせやすいですし。


 あとは、キャラクターの名前とかも頑張って考えているのですが、どうにも野暮ったいという感覚が拭えないまま確定させていることも多いですね。しっかり由来とか考えてつけたはいいけれど、何か違和感があるなんてことはザラです。

 名前に関しては、その場のアドリブでつけたものの方が案外しっくり来ていることも多いのでちょっと複雑な気分になることもあります。現時点では咲子さんとかがその代表例かもしれません。



 どうしてこうなるのかについては上手く説明できませんが、私の場合、どうにも物事に対する観点が他人と違うような気がしていて。それが原因なのかと。

 時と場合によりますが、どうでもいい所ばっかり気にして、肝心な所はほとんど気にも留めないとか、物事の優先順位がおかしいとか。それ関連で軽く叱られたような記憶もありますね。

 拙作をご閲覧頂いた皆様なら多少お分かりかもしれませんが、私の文章っておそらく無駄な要素が多いんですよ。それでいて必要な要素が欠けている。

 そして、その自覚があるのに、要るものと要らないものの取捨選択ができない。というかどこかおかしい。

 それが諸々のセンスにも関係しているのかな、と思います。



 …ああ、別に悲観的になっている訳ではないのでご心配なく。

 これに関しては、もうどうしようもないことだと思っているので。



 余計なことも交えながら長々と書いてしまいましたが、以上が「私が小説を書く理由」です。

 絵を描かないのではなく、文字しか書けない。だから、自らの世界を表現するには書くしかない、ということなのだろうなと。



 ここまでのお目汚し、大変失礼いたしました。つまらない自分語りにお付き合い頂きありがとうございます。

 こんな感じでもよろしければ、今後も『駒野にまつわるエトセトラ』(長くて言いづらいので、今後は「こまエト」とでも呼びましょうか…センスないな?)をよろしくお願いします。


 追記:次回からはもう少し軽めの話題も交えていくようにします。流石に今回は重すぎました。

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