コント:ぼく、ぽっぽちゃん
場所:病院の待合室。ソファで大人の男性が疲れた様子で新聞を読む、子どもがぽっぽちゃん、というおもちゃで遊んでいる。
https://www.youtube.com/watch?v=azhua6YOg6Q
こどもがボタンを押す。
ぽっぽちゃん
「ボク、ポッポチャン」
「オナマエは?」
「カーワイイネェ」
こどもがボタンをめちゃくちゃに連打する
「ボ」「ボ」「ボク、ポッポチャン」
「オナ」「オナ」「オナ」「オナ」「オナマエハ」
「カワ」「カワ」「カ」「カワイー」「ボクポッポチャン」
男性が苛立った様子でちらっとこどもを見る。
男性「あーもう…………せぇな」
新聞紙を顔に乗せ眠ろうとする。
ぽっぽちゃん
「ボク」「ボク」「ボク」「ボク」「ボ」「ボ」「ボ」
「カーワイーネェ」
男性、新聞をどけ、こどもをにらむ
「あー……もう。え?」
男性、驚いて二度見する。
そこにはこどもとぽっぽちゃんはおらず、人間と同じサイズの大きなぽっぽちゃんの着ぐるみを着た男(ぽっぽ男)が立っている。
そして男性を真面目な顔でじっと見つめる。
見つめ合うぽっぽ男と男性。
男性「だれ?」
少し間を置いてから
ぽっぽ男、右手で、横腹のボタンがあるばしょを押し、機械音が出る
「ボク、ポッポチャン」
男性「いや、そーゆーことじゃなくて……」
ぽっぽ男、横腹の別ボタンを押す。
「オナマエハ?」
男性、俺? と自分を指差し、疑問の表情。
ぽっぽ男うなずく。
男性「いや、自分昔っから知らない人に名前とかあんま言うなっておかんにいわれてるんで」
ぽっぽ男ボタンをおす。
「ボク、ポッポチャン」
「オナマエハ?」
男性、ちらっとみるが、無視
「ボク、ポッポチャン」自分を指差す
「オナマエハ?」手のひらを差し出す。
男性いらだつ
男性「いや、私は名乗りましたけど、あなたは? みたいな顔してますけど、私正直あなたの名前なんて聞きたくもないし、関わりたくもないんで」
ぽっぽ男ボタンをおす。
「ボク、ポッポチャン」
「オナマエハ?」
「ボク、ポッポチャン」
「オナマエハ?」
「ボク、ポッポ……」
男性「あー、もういいわ。聞いてないから、あんたの名前」
「ボク、ポッポチャン」
のところで男性耳塞ぐ。
「オナマエハ?」
のところで耳解放。
「ボク、ポッポチャン」
のところで男性耳塞ぐ。
「オナマエハ?」
のところで耳解放。
男性にやけ顔。
「ボク、ポッポチャン」
のところで男性耳塞ぐ。
「ボク、ポッポツチャン」
に連続できたので、耳開放している。
男性、悔しがる。ぽっぽ男にやける。
「ボク、ポッポチャン」
のところで男性耳塞ぐ。
「オナマエハ?」
のところで耳解放。
「ボク、ポッポチャン」
のところで男性耳塞ぐ。
「オナマエハ?」
のところで耳解放。
「ボク、ポッポチャン」
のところで男性耳塞ぐ。
「ボク、ポッポチャン」
のところで男性耳塞ぐ。
「オナマエハ?」
のところで耳解放。
男性、どや顔、ぽっぽ男悔しがる
「ボク、ポッポチャン」
男は耳開放している。
男性「濱家……濱家です。これでえーんやろ」
ぽっぽ男じっと男性を見つめる
男性「なんや」
ぽっぽ男横腹たたく。
「カーワイーネェ」
男性「いや、もうそーゆー歳でもないし。あーもういやや、もうやめぇーーー!」
シーン変わり、男性の顔にかけてた新聞紙が取れ立ち上がると、横に子供とぽっぽちゃん。こどもは目に涙をうかばせている。
男性「あ、いや、すまん。いや、その君に言ったんじゃなくて……」
こども「うわーーーん」
男性うろたえる
男性「いや、ほんまにごめん。お願いやから……」
後ろからこどもの父親がゆっくりとやってくる。
顔はぽっぽ男だが、スーツをぴしっと決めている。
父親「太郎、どうして泣いてる? なに? うんうん、そうか、そういうことか」
父親、男性をじっとみる。
父親「たろう、あっちに行ってなさい。父さんはこの人と話をつけるから」
こども脇へはける。
父親ゆっくりと男性に近づく。
男性「いや、その、すんません。大声出してしまって……」
父親黙って少しずつ近づく。
男性「……あれ? どこかで……」
父親「どこかでお会いした事がありましたっけ?(力強く少し怒った様子で)」
男性「いや、勘違いです。本当にすんませんでした」
父親「ほんとうですよ、場合によっては出るとこ出させてもらいますからね」
男性「いや、それだけはほんまに……」
父親「そうだ、一応連絡先だけでも交換しておきましょうか。私、こういうものです」
胸から名刺を取ろうとする、
その後、とつぜんはじけた表情を浮かべ、横腹を叩く。
「ボク、ポッポちゃん、オナマエハ?」
男性「やっぱりおまえ、あいつやんけ!」
(おわり)
イメージは完全にかまいたちさんなんで、いつかかまいたちさんがこのコントやってくれませんかね笑
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