今を生きる者よ、夜を残した瑠璃色を求めて

お互いの存在しか知らない兄弟。
生きる意味を探すために、今の場所を離れて
まだ見ぬ世界へと旅立つ物語。
今を過ごす者だから、わからない。
今を生きる者なら、わかるかも、しれない。
その思いの変化から
未来を見据えた、俯瞰的な眼差しへと移る筆力が素晴らしい。
漲るような溢れる色彩、心底に湧き起る果てしない情景。
耽美なる青を眺めて、その先にある答えをふたりで見つけていく素敵な小説です。