ネットの海で出会った少女の成長の物語に仮想現実の本質を垣間見た

VR=Virtual Reality

MMORPG=Massively Multiplayer Online Role-Playing Game

つまりVRMMORPGとは、
『仮想現実多人数同時参加型オンラインRPG』のことであるらしい……。

その程度の知識しか持ち合わせていない私でも、本作は最初から気軽に楽しめました。

読み易く、それでいてさりげなく物語の本質を突いている。
Web小説の良さを詰め込んだような良質な作品だと思います。

たとえば大切な存在を失って、現実もなんだか儘ならなくて、世界がなんだか色褪せて見えるようなとき。

そんな時にふとネットの海に飛び込んでこの作品に出会えたら、どんなに素敵だろうと思います。

見た目こそ違えど(喋り方が違うこともあるでしょう)、そこで出会う人たちは今もどこかでリアルに生きているわけで。仮想現実といえどもそこは現実の世界と地続きの、写し鏡のような世界。

演じる=生きるとするなら、その世界で演じてみて初めて止まっていた心の時間が動き出す、なんてこともあるのではないかと思います。その物語を間接的に見守る読者もまたしかりでしょう。

神視点か一人称かに関わらず、書き手はある意味その世界の創造主と言えるわけですが(私は無宗教ですけれども)、書き手=神とするなら、God bless you through your writingを体現したような、優しくて温かい、それでいて力強くもある、素敵な作品だなと思いました。

また続きを拝読できるのを楽しみにしております🌸

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