エピローグ

俺の本当の名は、ルシファー。


七十二柱の魔神の頂点に立つ魔王だ。


聖者イエス・キリストと契約を交わしてから、俺は俺の意にそむく【はぐれ悪魔】から人間界を守っている。


──人類の終末は、もたらされねばならない──


これが、アイツの望みだ。


つまり、悪魔や人外のモノが、人間に手を出してはならんという事だ。


なぜか興味を持った俺は、契約を受け入れ、人間界に身を置く事とした。


教皇庁バチカンに所属するナイトメア神父として……


この世界に降りた俺の力は、かなり制限される。


常人より身体能力は高いが、使える魔力は極端に減ってしまうのだ。


数百のザコ悪魔を、指先一つで一掃する事も叶わない。


だが……まあ、それも一興だ。


こうして人間に身を堕としたのなら、で闘ってみるのも面白い。


それで負ければ、俺の魔王としてのうつわはその程度だという事……


キリストの言う人類の終末──ヤツは『審判の日』とか言ってたな──は、さほど遠くない。


だが、ここで【その日】を言うのはやめておこう。


数千年生きている俺から見て【遠くない未来】だから、人間からすればまだ結構な時間はある。


そのを、人間はどう生きるのか?


人種・宗教間対立を激化させ、戦争と武力自慢に明け暮れるのか──


自国の利益優先をひた隠し、上っ面の世界平和を唱え合うのか──


それとも、自らの誤りに気付き、を選ぶのか──


まあ、好きな道を選ぶがいいさ。


いずれにしろ、その日までは俺が守ってやるよ。


一介の──そして、現世最後の闇祓いエクソシストとして……

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最後の闇祓い〈エクソシスト〉〜混沌の王〜 マサユキ・K @gfqyp999

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