ちょっと変わった異世界ものをお探しのあなた!
これ、ちょっと見ていってくださいな。
異世界転生もの、ではあるのですが、変わり種でございます。
主人公は過去のトラウマで徹底的な人間不信になってしまったヒキニート『クロ』
人間が嫌いなあまり、自分のことも嫌いになっちゃうというスーパー人間嫌いです。
転生にさいしても人間になるのではなく、猫として生きることを希望するという徹底ぶり。
我が輩は猫になりたい、ってやつですね。
そうして〝クロ〟猫として異世界を放浪することになるのですが、この世界というのがまたユニークです。
いわゆるナーロッパではなく、ファンタジーな文化はそのままに文明が発達した近未来的世界です。
ネットがあったり、スマホのようなデバイスがあったり、ドラゴンが家畜化されて競馬みたいなレースをしてたり、バベルの塔みたいな巨大建造物が成層圏までそびえ立っていたり──と、独特な世界観が魅力の一つ。
そんな世界で、人と関わらないよう、ただの猫として暮らしていたクロですが、
人の業によって悲惨な運命に捕らわれた、アルビノの天使な少女に出会ってしまうんですね。
もう絶対に人との関係など作りたくない、そう決めていたのに、助けたいと思ってしまう。願ってしまう。
彼がその心のままに行動するのを決断するところから、物語が動き出します。
自分一人の力では、天使な少女を悲惨な運命から救えない。
様々な者と関わり、力を借りねば、彼女を助けられない。
そうして、天使を助けるために奔走するなかで、二度と人と関わらないと決めていたクロのモノクロームな人生は再び、他者との絆を築いていくことで、彩りを取り戻していきます。
絶望に打ちひしがれた一人の人間(猫)が、人との絆によって、人生の輝きを取り戻す物語。
それが《モノクローム・ラブソディ》です。
こんな方にオススメ
:作り込まれた世界を自由に旅する主人公が好き。
:変わり種の異世界を旅行してるような気分に浸りたい。
:大勢のキャラクターが賑やかに活躍する群像劇が見たい。
:絶望した主人公が少しずつ前向きになっていく物語が読みたい。
狂詩曲-ラプソディ-と言えば、全体をキッチリ決めることなく、曲調の異なるメロディーを自由に繋いでいくことを特徴とする音楽として知られています。
狂愛曲-ラブソディ-と題された本作は、そのタイトル通り、多数のキャラによる様々な"愛”を描く物語となっています。
美しく切なく愛らしく、ときにコミカル、ときにはインモラルな愛を……。
いや、人と人のそれだけではありません。
食、音楽、趣味へと向ける愛までもが自由奔放な筆致で書き上げられていくのです。
物語の導入部は重く悲しいものですが、主人公クロとシロの出逢いを皮切りに次々と魅力的なキャラが参入し、主要キャラが出揃ってしまえば、あとはもうひたすら盛り上がっていくのみ!
気が付いたときには最新話まで追いついてしまっているかも知れません。
また、作者ご本人が描くイラストも見どころの一つ。
気になった方は、まず最初に置かれている挿絵置き場を覗いてみるのも良いかと思います。
さぁ、どうぞ触れてみてください。
これが私が自信を持ってお勧めする一作です!
……このレビューが素晴らしいラプソディの一篇となれますように。
一風変った、異世界を歩くファンタジー。
全ては丁寧に描かれ、主人公がひきこもりになったのも、「わかる」となります。
人間不信、人間嫌いである主人公は、異世界にいっても、なかなか、心を人に開きません。
心は傷ついたまま……。
でも、優しく美しい、天使のような聖女と出会い、ゆっくり、変わっていきます。
この聖女「シロ」は、教会に実験体として作られ、人間らしい愛を知りません。心はまっさら、無垢なまま。
ただ、自分を救ってくれた主人公を、慕います。
すぐに、恋愛とか、いちゃいちゃとかにはなりません。
でも、心が傷ついた主人公と、恋を知らない聖女の二人は、お互いを思いやり、ゆっくり、二人は成長し、変わっていきます。
主人公の能力はチートといえるでしょう。
でも、チートが爆発してスカッとする、そこが主眼ではありません。(白熱バトルも楽しめますが)
人の心が触れ合い、成長していく様が、美しいのです。
物語のなかで、その無垢さが尊い光を放つヒロイン「シロ」を、読者は応援したくなるでしょう。
そして、「シロ」が自分の意思で歩きはじめる時。
極上の感動を、読者さまにお約束いたします!
あと、とても多彩な物語でして、
・猫かわゆい。
・ご飯美味しそう。
・ピアノやらロックやら!
・竜やら。いろんな種族やら。
・あれ……意外とえっちだ。
等々、楽しみ沢山!
オススメですよ!
ぜひ、ご一読を!
作者の奏でるemotionalの波にsurfしていく、この読書体験は快感である
そのかごのぼっち文学の境地が生まれたのがこの作品
原点にして至高、そしてさらに進化し続けている
クロという少年のもがき苦しむような生き様に、シロという無垢な天使がまっすぐな愛を捧げてくれる
ここにシンクロすることができた読者は幸いである
emotionalの波に乗って物語をsurfする、その先に広がる宇宙の深さ、優しさ、美しさに、あなたはきっと慰められ、涙するだろう
その涙の清らかさに、あなたは驚くだろう、そして微笑むに違いない
心をつくしてものを書くということは、これほどすごいものだということを教えてくれた
この作者と作品には感謝しかない
暗い過去をもった主人公が異世界転移を遂げるが生首!?
すこしずつ異世界に慣れていく中で出会うキャラクターは、複雑な背景を持っていた。
ある種の共感を感じるうちにお互いを救い、救われ、時には涙し、激昂する。
そして様々な経験を経て、いつしか仲間と呼べる者たちとも出会うことになる。
癖のあるキャラクターが勢ぞろいで、彼らの楽しい掛け合いは読者の感情を揺さぶること必至だ。
ラプソディというだけあって、ピアノを奏でる演出もポイントが高い。
そして食欲の沸き上がるグルメにも注目せずにはいられない。
最後に、主人公の成長していく様子が楽しみだ。