家 5
「ほら、ゼリーとか飲み物とか色々買ってきたの!」
私の見間違えだろうか。顔を赤くした星谷さんがコンビニの袋から買ってきてくれた物を取り出してくれる。
少し汗の滲んだ星谷さんの可愛い顔、もしかして冷房の効きがよくなかったのかな?
「温度……さげようか……?」
私も今身体が熱い、こんな思考も、さっきまで星谷さんに覆い被さられていたことを誤魔化しているだけだ。さっきのことを考えてしまうと、またなにを言ってしまうか分からない。だから必死になって適当なことを言う。
「だっ大丈夫よ! ほら、天霧さん選んで!」
星谷さんは私の目の前に、吸うだけで飲めるゼリーと、スポーツドリンクを突き出してくれる。私はゼリーに手を伸ばす。重たい腕をゆっくりと伸ばして、なんとか受け取る。
寝ころんだままだと飲みにくい、私は頑張って身体を起こそうとする。
「あっ、大丈夫?」
なかなか身体を持ち上げることができない私を、星谷さんが手伝ってくれる。服の上から感じる、星谷さんの手の感触が心地いい。
そうやって、星谷さんに起こしてもらった後、ゼリーの封を開けようと、キャップを捩じるけど、力が入らなくて開けることができない。
それに気づいてくれた星谷さんが、キャップを開けてくれる。
そのまま飲ませてくほしいな、なんて思ったけど、仕方なく受け取って飲む。
私が飲んでいる間、星谷さんが心配した顔で見守ってくれる。こんなに見つめられると、緊張して飲みにくい……。
百合の気配 秋 坂餅 @sayosvk
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。百合の気配 秋の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
同じコレクションの次の小説
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます