この小説のすべてがキマイラ(嵌合体)だ。

小説の構成は映像記録、日記、議事録、報告書、ニュースなどあらゆる<記録>を使って構築された、<記録>のキマイラというべき斬新な建付けになっている。
そしてストーリーも、この物語のキーである<キマイラ>たちの進化と増殖に連動するかのように、一研究所内での出来事から日本を舞台にした国際的陰謀、そして人類滅亡と新たな進化種の誕生を思わせるエンディングへと展開していく。
その背景にあるのは著者の知識の幅広さと、発想の多様性。
これらいずれをとっても、一読する価値ある傑作と思われます。
とにかく読んで見て下さい。

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