『CHIMERA(キマイラ)』 ~嵌合体~

白銀比(シルヴァ・レイシオン)

CHIMERA~嵌合体~ 第一章『百』

Next Das letzte Bataillon研究報告書


○○○○年 〇月 〇日


所 長 Ilya Ivanov 殿 


『Next Das letzte Bataillon研究報告書』



目的:obedienceかつ反乱要因の撤廃とegoismの消失


期間:無期限


結果:自我の制御不能、暴走により主要研究員の死亡と実験体の消去により中止


詳細・経緯


⑴本件に関する状況

・生存者

 「浅倉 祥子あさくら しょうこ」主任 1名

 54名の職員中、53名が死亡。


 その他生存者 1名


 本研究は一時停止中。

 継続の有無、処分の規模、および今後の対策と指示を求む。


・実験体状況

 本件による死亡確認済実験体 10体

 うち不確定 3体

 (火災に巻き込まれ組織が破壊。DNAの摘出と鑑定確認中)

 研究所の半壊、炎上にて自然消去の可能性高。監視カメラにて検証。


 残存実験体 2体(含む)

 

  1体

 現在探索中 見つけ次第確保もしくは消去。


⑵研究所内部と設備

・現在清掃、点検中。

 研究データと一部設備は確保、回収済。

 捜索隊以外の人員は最終現場検証と原因の究明に尽力中。完了次第、本建築物そのものの継続の有無も回答されたし。


⑶経緯説明

 大野 明おおの あきら 研究科長の上層部報告書とは別の、『』と日記の内容も胆略化して記す。


 浅倉 主任と近藤 紀子こんどう のりこ 分析科長との聴取音声データ


 一部、大野 研究長の録画日記データ、未提出報告書は浅倉 主任と近藤 分析課長の反応を期すためリアルタイムでのを指示。




⑷以下、文字起こし音声データから




【提出者 近藤 紀子 分析科長 聴取音声データ 1】



「おはようございます、浅倉さん。大丈夫ですか?」


「・・・はい、おはようございます」


「まだ心身ともに療養できていないでしょうけど、ごめんなさいね。でも、記憶が鮮明なうちに聴取だけはすませておきたいの。よろしいですか?」


「だいじょうぶです」


「なにか体調など、不具合があればすぐに言ってください。衛生班を呼びますから」


「ありがとうございます」


「では、順をおってあなたがここに配属して、今回の事件が起きる予兆や前兆、きっかけのようなものがあれば、そこから話してください」


「はい。・・・ええっと・・・・・・」

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