第3話 秋の雨
夏の雨と違って、秋は実りある雨が降り注ぐ。そう思うのはあの暑い季節を耐え忍んだからだろう。口を開けて、雨粒がスルっと口の中に入れる。これが秋の雨の味か……。
実りある秋で、僕は今、走ってきた道を振り返って、冷静に観察する。そこにはボロボロのアスファルトの道だった。
先へ見据える。
未来はまだ誰にもわからない。
たとえこの先がボロボロよりもひどい状態だとしても、その先はまだ誰にもわからない。
僕は歩み始める。
自分の道を選び続けるために。
その決意を秋の雨は降り注ぐ。
そして、虹が見えた。
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